駅から近い、買い物など生活の面で便利そうだという利便性で土地を選ぶ方も多いと思います。
周辺の雰囲気が気に入った、という土地の選び方もあるでしょう。
あなたがその土地に新しく家を建てるように、後日他の人がその周囲に建物を建てることは充分に考えられることです。
環境は日々変化するのです。
今現在は「明るい家になりそう」という予測を持って土地を購入したとしても、数年後にマンションが目の前に…というケースもあり得ます。
そのようなトラブルを避けるために、事前に気を付けておくことはできるのでしょうか。
今回は「明るい家」を実現するために、いくつかの面から「土地」「家」を考えてみたいと思います。
明るい土地=明るい家というのは、周囲に建物が見当たらない、もしくは建ってはいてもさほど建て込んでいない状況だと思います。
将来、もしも高いビルやマンションが立ってしまったら…。
見通しも悪く、暗い家になってしまう可能性が否定できません。
注意するべきは、その、気に入った土地の周囲に「駐車場や畑がないか」という点です。
駐車場などがあった場合、収益性を上げるためにその土地の所有者が「マンションを建てよう」と思い至ることも充分に考えられます。
もしも駐車場があるとしたなら、その気に入った土地の南側でないことを確認しましょう。
南側といえば、当然日当たりに直接関係する方角です。
その南側をふさがれてしまえば、暗く、残念な家になってしまうこととなるでしょう。
もちろんこれは、道を挟んだ向かいの土地であっても影響はあります。
6メートルの幅の道路の向こうに15メートルのマンションが建つとして、1階が日陰になる時間の目安は2~3時間といったところです。
(もちろん土地の条件によりばらつきはありますので、参考までに)
道路の向こう側に建つマンションであってもこのような影響がでるのですから、隣接地に建つマンションの影響がどれほどのものかわかって頂けるでしょう。
将来、何かが立つ可能性がある土地―駐車場や畑が目の前にあるかどうか、その方角が南側でないかをきちんと確認しておきたいところです。
比較的土地の価格が安いために人気のある旗竿狭小地。
今現在建物が周囲になく、見通しがいいからといって、安心してはいけません。
近い将来、あなたの家を取り囲むように家が建つことは既に解っている通りです。
その土地に対して家をどう配置するかで回避できる問題はあります。
家全体にさんさんと陽が差すことは難しくとも、せめてリビングだけは家が建て込んできた時に影響を受けない位置に置くなど、設計である程度問題回避できることがあります。
ですが、これも目の前に建つのがマンションでないことがはっきりしていることが前提です。
目の前の土地の使用目的が一般戸建て住宅用として分譲されていることを確認しておきたいところです。
「用途地域」とは、都市計画法により定められるものです。
その地域の性質をきちんと分けることで、「工業地帯に家」といった明らかな不都合を避けるために定められています。
その土地に高い建物を建てる事が許可されるかどうかは、この「用途地域」を確認することで想定できます。
「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」まででしたら、大きな問題には発展しないはずです。
これについては、不動産仲介業者も把握していますから、現地を見に行くときにきちんと聞いておく必要があります。
また、その土地だけでなく、近隣の状況を知りたいときには、自治体の「建築指導課(自治体により名称の違いあり)」などで聞けば教えてくれます。
通りをひとつ越えるだけで、この用途地域が異なる事もあります。
目の前の道路の向こうに、高いマンションが建ってしまうこともない訳ではありません。
明るさを求める部屋としてトップにあがるのが「リビング」ですね。
先々周囲に建物が建ち始めることを見越して、初めからリビングを2階に配置するという方法を採用される方もいらっしゃいます。
個々の部屋は主に寝室であったりと、むしろ夜間しか使わないので日当たりはあまり求めないというケースがほとんどです。
このため、通常の戸建て住宅とは異なり、1階と2階の役割を入れ替えてしまうという設計方法で将来に備えることができます。
2階の高い位置から差し込む光を利用する吹き抜けも人気です。
そもそもは解放感を演出するために広まってきた手法ですが、明るさを確保するためにも有効に働きます。
敷地がある程度確保でき、リビングとその2階部分を居室として使用しなくて済むのであれば、この吹き抜けは今現在主力となる「明るさ確保」の方法でしょう。
ガラス面を広くする必要がありますので、強度やメンテナンスの面で配慮するべき点は多くはなりますが、1階と2階を完全に天井で区切ってしまうよりはるかに明るい家となります。
屋根部分に取り付ける天窓(トップライト)で、明るさを確保することも可能です。
直射日光でなくとも、空に向かって開けた部分があれば、それだけでも明るさは大きく違ってきます。
外観のアクセントにもなりますから、オシャレな家にもなり得ます。
例えば、中古の家を購入した後、周囲に高い建物が建ってしまった、という場合は「太陽光照明システム」という後付けできる商品もあります。
屋根に円形ドームを取り付け、そこからアルミチューブを目的の部屋まで伸ばします。
円形ドームから取り入れた太陽光をアルミチューブの中で反射させながら、各部屋まで明るさを「配達」するのです。
気に入った土地が見つかった、とすぐに飛びついてはならない理由がありました。
「明るい家」を実現するためには、家を建てた後の周辺環境の変化を考えておかなければなりませんでした。
土地選びと同時に、設計の仕方一つで明るい家を実現できます。
日照は、人に与えられた権利の一つ。
日照のシミュレーションソフトもあり、建築家はそれを使用し、入念な設計をしてくれます。
もちろん、現地を一緒に見に行ってもらうことも大事な事。
「この人にお願いをしたい」という建築家を見つけ、土地探しの段階から相談に乗ってもらえればベストです。
ウッドデッキのある家、今とても人気です。
家の内側と外側(庭)との接点となってくれる場所ですから、様々な面でメリットがあります。
庭にとれる広さにもよりけりですが、外部との接点は家にとってとても大事な場所。
閉塞感を感じる家は、寛ぎのイメージを持ちづらいですよね。
日本では古来より「借景」という考え方があり、特に豪邸では、窓ガラス枠を額縁に見立て庭木を室内から楽しむ文化がありました。
それだけ、室内と外との関係を大切にしてきたのです。
では、ウッドデッキのある家が私たちにもたらしてくれる「暮らし方の変化」について考えてみましょう。
庭の面積があれば、「ウッドデッキが欲しいな」と思う事間違いありません。
ウッドデッキに手すりを設ければ、お布団干しもラクに行えます。
リビングから布団を持ち「よいしょ」と一段降りることもなく、そのまま横移動でウッドデッキの手すりへ…。
この「よいしょ」の一段が意外にも大変なのです。
比較的段差の少ないマンションのベランダでも「よいしょ」の声が出てしまいます。
段差のない水平移動でお布団を干せるというのは、家事にもプラス面を持ちます。
大きく重たいものを持っているとき、私たちは足元を見ることができません。
日頃行っている家事の動きの中にも、ケガの原因が潜んでいるのです。
ウッドデッキがあれば、この危険を一つ減らすことが可能です。
これも、ウッドデッキに手すりが付いていれば安心。
ラティスのようなもので隣接する道や家からの視線を遮っておけば、お洗濯ものを干す時も気になりません。
外に洗濯物を干す時に着になるのが、この「外部からの視線」ではないでしょうか。
お天気のいい日は外に干してからっと仕上げたい。
でも、目の前の道路が気になって…。
こういうケースも、目隠しがあれば平気ですね。
もちろん、先ほどの布団干しのように、重たいものを持った時の水平移動のラクさは洗濯物でも同じ。
特に育ちざかり(汚しざかり)のお子さんのおられるご家庭では、このラクさはどうしても欲しい機能ではないでしょうか。
室内犬を日向ぼっこさせたいとき、このウッドデッキは便利です。
庭の土を室内に持って入って欲しくないけれど、暖かい場所に出してあげたいというときに、このウッドデッキが効果を発揮してくれます。
リードをつないでおくフックを用意しておけば、安心して外の空気に触れさせてあげられます。
水洗いに強い素材で作っておけば、そこでご飯をあげても、お粗相をしても、ざっと水洗いすればよいだけ。
夏場の直射日光を避けるため、オーニングテントを設置しておきましょう。
これで、ギラギラとした日差しを避けながら、お散歩気分を味わってもらうことができます。
お子さまが小さいときは、夏のプール(空気で膨らませるタイプ)の置き場にも使えるでしょう。
リビングの延長上にあるウッドデッキは、足を土で汚さずに室内へ出入りできます。
お母さんも、リビングからお子さまを観察しながら遊ばせてあげることができますから、安心。
リビングと直結であることのメリットを一番感じやすい使い方かもしれません。
一瞬たりとも目を離せないプールも、ウッドデッキであれば、お子さまの気配を常に感じていられるので心配材料を抱えずに済みますね。
夏のバーベキューを始め、ご家族・ご親戚の集まる団らんにもこのウッドデッキは大活躍です。
リビングがもう一つ増えたイメージで、広々と楽しむことができます。
外の暑さが苦手な方はリビングで、多少の汗をかくことも楽しめる方はウッドデッキで―。
リビングと直結のウッドデッキは、集ったメンバーそれぞれの好みや体調に合わせながらも、みんなで一つの空間を共有することができます。
もう一つのリビング―それがウッドデッキなのです。
お子さまの小さな時期の奥様は、なかなか外へ出かけることができません。
一息つくためにわざわざカフェへ―ということも実際には難しいでしょう。
カフェの雰囲気だけでも味わってみるのはいかがですか?
ウッドデッキにガーデンセット(小さなテーブルとイス)を用意できれば、1杯のお茶もカフェ気分で味わうことができます。
家にいながらにして一息つける空間は、とてもいいものです。
それでなくても子育てや家事で自分一人の時間がなかなか持てないお母さんですから、ウッドデッキひとつでこの「ホッとできる隙間時間」を有効活用できるならば、家事への意欲も増すというもの。
庭先で飲む一杯のビールが、オンとオフの切り替えに役立ってくれるかもしれません。
「仕事は家庭に持ち帰らない」と決めているお父さんでも、「仕事の気分」は持ち帰ってしまうかもしれませんね。
お酒を召し上がる方でしたら、ウッドデッキでの一杯をお勧めしたいと思います。
「仕事の気分」を持ち帰ってしまっていることは、ご家族にも何となく解ってしまいます。
これを一度リセットできるのが、ウッドデッキかもしれません。
お酒を呑まない方でも、コーヒーや紅茶など、お好きな飲み物で気分をリセットすることができるでしょう。
週末、のんびりと起床したときのブランチをご家族全員でウッドデッキで―。
プチ・リッチな気分の楽しみとして定着することは間違いありません。
日頃なかなか顔を合わせることのないお父さんと子どもたちの距離も、これでぐっと縮まることでしょう。
ウィークデーには叶わない一家団らんも、週末には充実することでしょう。
オープンな場所でとる食事は、気持ちもオープンにしてくれます。
日頃聞くことのできないお子さんのお悩みなども、聞きやすい場所となってくれるかもしれません。
お母さんも、リビングから直結のウッドデッキでしたら、食器の運搬がラクラク。
お子さんも自発的にお手伝いをしてくれるかもしれません。
密度の濃いコミュニケーションは、家族をより強く結び付けてくれるはずです。
生活は家の中で、心を結びつける場はウッドデッキで、とうまく機能してくれるでしょう。
家事をよりラクにしてくれる機能と、ご家族それぞれの憩いの機能を兼ね備えるウッドデッキ。
リビングの延長上にあるからこそ、この役目を果たしてくれます。
ウッドデッキは、もう一つのリビングと言えそうです。
これらのメリットを考えると、多少グリーンを植える部分を減らしてでもウッドデッキを設置したいと考える方が多いことは頷けます。
家の外部ではありながら、もう一つのリビングであるウッドデッキ。
狭小な土地でない限り、一度は検討してみたいものですね。
自宅にプールを…憧れますね。
単に遊ぶためのものだけでなく、ロケーションの一部となってくれるであろうプール。
お友達を招いて水遊びもよし、水辺でのバーベキューもよし。
生活を楽しむための機能としても魅力的です。
一般家庭用のプールを設置するための費用、ランニングコストはどのくらいかかるのでしょうか。
せっかく設置しても、月々かかる費用も計算しておかなければ、最終的には水を抜いたただの「空間」となってしまうかも…。
そうなってしまわないよう、イニシャルコストとランニングコストについて事前に「下調べ」しておきましょう。
まずは、どのような施工法があるのかという周辺知識から…。
施工法にも数種類あります。
などが代表例でしょうか。
お好みもあるとは思いますが、この中でシェアを伸ばしているのがFRPのプールではないでしょうか。
FRPとは、繊維強化プラスチックのこと。
ビルの屋上防水や木造住宅バルコニー防水に使われたり、船舶に用いられたりと、水に対する耐性は折り紙つきです。
この、「水を漏らさない」ということはとても大切な事です。
よほど山の中でもない限り、お隣の家が近いのが当たり前の日本では、プールの漏水は大変な事故につながります。
プールの底から漏れた水が自宅の基礎部分の土を流してしまえば、自宅が揺らいでしまいます。
また、お隣の土地にまで染みこんでしまえば、事と次第によっては損害賠償モノです。
水をしっかり遮断する面でも、このFRPは注目素材なのです。
プール施工に実績のある業者に、しっかりと相談して決定してください。
保証についても、説明を求めておくべきでしょう。
サイズやデザインにもよりけりですが、ずばり「300~500万円」がイニシャルコスト。
プール本体も大切ですが、実はそれよりも大事なのが濾過機なのです。
濾過機の価格を渋ってしまうと、その後のランニングコストに大きな影響を与えます。
常にきれいな水を保つためには、きちんと濾過するか、もしくは水の入れ替えをしなければなりません。
たとえば、子ども4~5人で遊べる大型のプール(空気で膨らませるタイプ)で、1回あたりの水道料金は約400円(地域により異なります)。
約3立方メートルの水が必要です。
当然濾過機は付いていませんから、衛生上毎回入れ替える必要があります。
因みに、小学校でよく見るサイズのプールの水をひと夏維持するとなると、20~40万円の水道代がかかると言われます。
これを考えると、やはりプールのデザインよりも、濾過機をしっかり吟味する必要があることが解りますね。
最近の濾過機は性能がよく、1年に1~2回の入れ替えで済むまでになっているとのこと。
「イニシャルコストを渋ると、ランニングコストに大きく響く」ことがよくわかります。
濾過機の性能がよければ、電気代・水質維持のための薬剤を含んでも6000~10,000円で収まるといいます。
やはり、濾過機の性能がここでモノを言うのです。
アフターメンテナンスを含み、この濾過機の性能は徹底的に追及したいところですね。
では、なぜこの濾過機が大切なのか、また別の面を見てみましょう。
例えば、約13,000リットルのプールがあったとします。
何らかの事態で水道というライフラインが絶たれてしまったことを想定すると、このプールの水がとても大切な役目を果たしてくれます。
13,000リットルといえば、お風呂約65杯分。
お風呂1杯分の水は、夫婦ふたり+子どもふたり1世帯のトイレ2~3日分です。
飲料水はどうでしょうか。
いざという時のため、備蓄すべき水は最低でも1人分3リットル×3日分とされています。
4人分であれば、36リットルは必要ということです。
泥水の細菌やウイルスまでも除去してくれるボトルが、防災グッズとして売られていることはご存知ですね。
このような飲用濾過機があれば、このプールの水も飲み水に使用できる可能性があるのです。
いざという時のためにも、プールが欲しい…こういう方もいらっしゃるかもしれません。
こうやってみると、プールは単なるリラックスや娯楽のための設備ではなく、防災の面でも役に立ってくれるものとも言えます。
必要に応じて水の入れ替えが必要なのはもちろんですが、藻が付きやすい状態になるために、デッキブラシなどを用いての清掃が定期的に必要となります。
また、蒸発した分の水の追加、秋ともなると舞い落ちる枯葉の除去など、こまめな管理が必須です。
また、夏場にはボウフラの発生源ともなる場所ですから、水の管理は難しいでしょう。
蚊の発生が発覚すると、ご近所からの苦情もあり得ます。
水質は、目に見えるものではないだけに、安易に自己流で行うことは危険です。
安直に塩素殺菌でしのごうとすると、水そのものが使えないケースも起こり得ます。
専門業者に定期的に見てもらう必要が生じます。
これらの手間暇や委託費用を考えると、濾過機は必須と断言できるでしょう。
ランニングコストの面でも、維持の簡易さの面でも、濾過機は必須でした。
そのスペックをきちんと見分け、「濾過機ありき」で考えるべきプール。
防災面でも「プールのある家」を提唱している工務店やハウスメーカーもあります。
もちろん、専門の施工業者もあります。
じっくりと相談し、「水漏れしない>安全の水質>好みのスタイル」の優先順位で検討してください。
憧れのプールも、実用性までを見込んで手に入れたいものです。
手間をかけずに管理ができ、漏水の危険性も少ないしっかりしたものでなければ、単なるお飾りに成り下がってしまいます。
実績ある施工業者を探しましょう。
ランニングコストに至るまで納得できる回答を提出してくれるようでなければ、その業者とは縁がなかったと諦める潔さが必要です。
冒頭に挙げたように、自宅や近隣の家にまで被害が及んでしまう事も考えられるプール。
安易に、憧れだけで突っ走れるものではありません。
生活の中に「水辺」を作るだけで、きらきらと明るい空間を作ることができます。
実際に水遊びを楽しむことも、その水辺を眺めることも楽しいものです。
自宅にプールを―こう考えるとき、周辺知識を含め学ばなくてはならないことが多くありました。
これらのポイントを熟考し、専門家の知恵、専門業者の技術を借り、夢を実現してください。
あなたの暮らしをより豊かなものにするために、プールは一つの大きな味方になってくれることでしょう。
近年、空き家の増加が一つの社会問題としてニュースでも取り上げられるようになってきました。
また、それら空き家の再生に真正面から取り組む動きも報道され始めています。
なぜこのような状態が見られるようになったのでしょうか。
これは何も、地方の、いわゆる「田舎」と呼ばれる場所に限った事ではありません。
利便性の高いエリアでも多くみられる状態です。
では、このような問題が起こり始めている原因と、それを解消する意義、新築住宅を建てることとの比較をしてみたいと思います。
これはもう、既に皆様お気づきの通り「少子高齢化」に伴って生じている事柄です。
家というものは「結婚し、子どもを育て、巣立たせる場所」という事ができます。
そして、当然のことながら、子どもたちは独立し、結婚し、自分たちの家を構えます。
そうすると、子どもたちを巣立たせた親世帯は夫婦二人となり、そこで余生を送ることになります。
単純に考えた時、子どもの数÷2(夫婦となる)=新婚世帯分だけ家が必要、という公式が成り立って来ました。
ですが、親世帯がそのまま空き家になることも珍しくなくなりました。
体が不自由になったなどの問題から、サービス付き高齢者向け住宅(通称・サ高住)への住み替えや入院を余儀なくされることも多いのです。
子どもを頼ろうにも、頼れないケースも多くなっています。
そのため、その親世帯が住んでいた家はそのまま空き家になってしまいます。
この空き家の問題は、世帯ごとにそれぞれ家を購入するという「家族の在り方」が生み出してしまった問題である、という側面も持ち合わせているのです。
人口の自然減(生まれる子供の数<亡くなる人の数)により、世帯という単位でカウントされる数字が減少するのは当然の事です。
この、世帯という単位こそが、家(ないしはマンションの部屋)の数に大きな影響を与えています。
今、既に築何十年と経過している家は、日本の人口が一番多い頃に建てられたもののはずです。
とてもとても大きなお皿(家の数≒世帯数)が存在しますが、そこに盛られるお料理の分量(現在の世帯数)はぐっと減っている、という例えがぴったりくるでしょうか。
お皿は大きいのに、お料理はポツポツと、小ぢんまり少量ずつ盛られている、というイメージです。
お皿にはとても大きな隙間が空いています。
今現在の空き家問題で一番に挙げられる原因がこの「人口の減少」です。
特に都市部で多く見られることに、「利便性の高い良い土地があるのに売れない」という問題です。
これらは主に、路地に面した日本の昔ながらの住宅であるはずです。
不動産仲介業者のチラシやHPをみて「ここ安い!」と思った時は、隅々まできちんと読んでください。
「再建築不可」という言葉があるかもしれません。
空き家の再生ができないこともあるのです。
今現在の建築基準法で建築が認められていない(敷地が道路に接していない・幅員2メートル未満の道路に接道)土地である事から、今ある古い家を取り壊して、再度建てなおすことができないのです。
建築確認申請が必要となるような大掛かりなリフォーム(再生)さえ不可能なこともあるでしょう。
このような「土地は良いけど家がどうにも…」という場合、やはり買い手はつきません。
親世帯から相続した人も、この問題には頭を悩ませます。
「売りたいのに売れない、でも税金はかかる…」というものです。
そのため、土地・家すべてを放棄してしまうケースもあるのです。
当然、家は手入れをされずにそのまま朽ち果てるに任せられています。
「再建築不可」と明記されている土地でも、気に入ったのであれば活かす方法はいくつかあります。
その代表的なものが「ご近所の力を借りる」という方法です。
新たに家を建て替えるに必要な条件(接道)をクリアするために、気に入った土地と地続きのお隣の土地を買うことはできないでしょうか。
その土地の持ち主にも相談を持ちかけ、お隣の土地を売る予定はないか聞いてもらうのです。
親の世代からのお付き合いが密であれば、そういった相談も可能な事があります。
もちろん、仲介業者に「家を建て直すならばどのような条件が必要か」という点を確認しておくことが求められます。
その仲介業者が、そのエリアに顔が広い場合は、お隣への相談も引き受けてくれるかもしれません。
法を犯してまで建て替えてしまうと、取り壊し命令が出され解体を余儀なくされます。
そういった無理を避けるためにも、再建築・再生できるだけの条件を土地の面でクリアしなければなりません。
気に入った土地が見つかったのはいいけれど、確認申請を行う必要のある大掛かりなリフォームができないこともあり得ます。
各種の制限をうまくかわしながらリフォームや再生ができるのであれば、利便性をメインに考えた家づくりができるはずです。
そのエリアで目立つ家の老朽化による危険を回避するため、市民としてできることの一端を担うこともできます。
空き家が多いことから生じる、治安の悪化にも市民として備えることができるでしょう。
人口のピークは2004年の1億2779万人でした。
戦後の高度成長期には、ニーズを満たすための「郊外型住宅団地」も一気に増加。
今ではその郊外の住宅団地にも空き家が目立ち始めています。
「そもそも山であったところは山にもどしてやってもいいのではないか」とする専門家もいます。
それだけ、人口の減少は大きな問題として今後私たちを襲ってくることが解っているのです。
今回、前提として考えているのは「利便性の高いまちなかエリアの空き家」です。
まちなかで、交通の面でも、買い物や通学にもよく、気に入った土地があるのならば是非その土地を活かす方法を専門家と考えてください。
東京都豊島区も、「消滅可能性都市」としてその名を挙げられたことから、市民と共に「住み続けたい土地」を目指しリノベーションスクールを開催しました。
改めてその土地の良さを見直し、どこにテコ入れすれば住みやすくなるのか―。
建物ひとつひとつの問題のみならず、エリア全体のことを住民自身が考えることが必要であることをこの動きは指しています。
そこにあるのは、古くから連綿と続く「コミュニティ」。
ヒトがヒトとして生活するために欠かせない、人同士のつながりが再認識され始めているということなのです。
郊外の真新しい分譲団地に、新築の家を建てることも素敵な事です。
ですが、人口が減り続け、今後コンパクトに住まわなくてはならなくなるであろう日本においては、既にある建物を使えるだけ使いコミュニティを維持し続けることも「宿題」として残されています。
気が付けば、家の周りに生きていくのに必要なインフラ・商店もなくなっていた―このような問題に行きついてしまわないよう、まちなかの古い家を再生してお気に入りの土地に住み続けることで回避することができるかもしれません。
活かせる空き家がまちなかにあるのに、未だに山を切り開いて住宅団地の開発は続いています。
一時期の「大団地」ではないにしろ、「プチ開発」はまだまだ行われています。
せっかくの家の購入ですから、真新しい場所に居を構えたいと言う心理も当然の事です。
ですが、賢い消費者・賢い市民として考えなくてはならないのは、「その住宅団地の開発、本当に必要ですか」ということ。
ご近所とのつながりがあればこそ、子育てにも安心して取り組めることでしょう。
新築の家も素敵です。
ですが、まちなかの利便性の高い土地に見つかる空き家の再生もまた、素敵な選択です。
「せっかく建てるのならば、長持ちする家を」。
「低価格の家もあるけれど、長く住めるのかどうか不安」。
家というもの、いくら低価格の家であっても土地込みで1000万円単位の大きなお買いものです。
長持ちさせたいと考えるのはとても自然な事です。
家の寿命を長期化させるということについて、今回は考えてみたいと思います。
家の長寿命化というのは、二つの側面から成り立っています。
その二つのポイントを噛み砕きながら、あなたにとっての「家の寿命の長期化」について何が大切なのかを見てみましょう。
家の寿命を長期化させるために、今現在国でも取り組んでいるのが「長期優良住宅」という制度です。
2009年6月に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」などにより、「長く住める本当によい住宅とは何か」をある程度定義してあります。
特に重視されるのは
―などのようなポイントです。
これらの、長期優良住宅に必要な条件を満たしている家は、所得税の住宅ローン控除や固定資産税など税の面や、フラット35Sの金利優遇など、お金の面でのメリットもあります。
上記の条件を満たす家にしようとするならば、設計前の相談の段階からその旨を建築家や工務店などに伝えなくてはなりません。
技術的審査を住宅性能評価機関へ申請するなどの手続きが必要となるため、打合せの途中で「やっぱり長期優良住宅に切り替えたいのですが」と申し出ても無理、というケースが多いのです。
設計に入る前に、寿命の長い家を建てたい旨を伝えておかなくてはなりません。
家全体で寿命の長期化を狙うのであれば、この「長期優良住宅」の要件を満たすことが近道です。
これまでの日本の住宅は、20~30年でその家そのものの価値が消失するとされています。
この価値の部分を「長期優良住宅」でしっかり確保できれば、お子さまの代に引き継げる家として存在し続けてくれるでしょうし、いざ売却という時にもプラスに働いてくれます。
もう一つ、この長期優良住宅には、「まもりすまいカルテ」と言う、メンテナンス履歴などを残せるサイトのサービスを利用することができるというメリットがあります。
設計・施工・メンテナンスといった、家の一生で起きる出来事を記録できるものです。
この記録があれば、リフォームをする際にも図面が残っていますので着手もスムーズです。
また、きちんとメンテナンスしてきた記録を残しておけば、仮に売却しなくてはならない場合も買い手は安心して購入に踏み切ることができるでしょう。
この長期優良住宅の条件を満たした家は、ずばり「家の寿命の長期化」に主眼を置いた家、ということなのです。
最近、都会でも空き家が目立つというニュースを目にされたことがあるかもしれません。
それら空き家のほとんどは、法の問題で建て替えもできず、古くなるがままに放置され、家を引き継ぐ人も継がず、見捨てられてしまった家です。
このような問題を今後増やさないために、「新しい家にはそれなりの強度と価値を」と作られたのが「長期優良住宅」という制度なのです。
もちろん、この長期優良住宅要件を満たすほどでなくとも、家の寿命の長期化(≒強度)の実現方法は設計により数多く存在します。
画一的でない、でも強く長持ちする家は、建築家の腕が光るポイントです。
自分の育てたわが子(作品)が早々に朽ち果てるのは建築家も想像したくないものです。
より良い物を長く愛着持って使う、というエコな考え方も再起してきていることから、建築家に依頼する家は「強くて長持ち」という機能を求められていることと断言できます。
家の寿命長期化は、「建築家に依頼」が一番よいことではないでしょうか。
家は、ご家族の暮らし方(家族構成の変化・年齢からくる体調の変化)により形を変えて行かなければなりません。
また、定期的に水回りの小さなリフォームも必要になってくるはずです。
このようなリフォームに耐えられる、強くシンプルな家が、長い目で見て「長寿命の家」と言えるでしょう。
これらの点を事前に理解し、若い世代でも「リフォームしやすい家」「バリアフリーを意識した家」を希望される方も増えているといいます。
これら、リフォームやバリアフリーを意識した家は、手入れにかかる費用(家のライフサイクルコスト)を下げることができ、維持管理がラクになることにつながります。
維持しやすい家は、浮いたコストの分だけ、長く愛着持って住み続けられる家となってくれます。
これは「団地リフォームに先だって、自分自身で調べた方が良い5つの点」、「マンションのデザインリフォーム―勝負を左右する4つの手順」でも触れた通り、良いエリアであれば古い建物であってもよみがえらせて住まいたいというニーズとして現れています。
今や、賃貸アパートや賃貸マンションでも、「入居者の好みに合ったデザインの相談に乗ります」という動きがあるほど。
つまり、住まい手の希望に合わせることで入居率や賃料をアップできるということに外なりません。
賃貸でもこのように建物自体の価値を上げることができるリフォームです。
ご自分が入手する家でこのリフォームやリノベーションが大事であることは、ここで論ずるまでもないでしょう。
必要な時に、手軽な費用・手段で手を入れることができる―。
長く住まうための、とても大切なポイントと言えます。
少し覚えておいて頂きたいのが「スケルトン・インフィル」という言葉です。
そもそもはコンクリート系のマンションなどで普及した言葉でした。
スケルトン(躯体=家の構造そのもの)と、インフィル(内装や設備等)を分離して考えましょう、という建て方です。
近頃ではこの考え方が一般の戸建て住宅にも広がってきており、がちがちに部屋の壁を作らず造作のクローゼットで区切り、子どもの成長に合わせて仕切りをつけたり外したりといった工夫を取り入れてくれるケースもあります。
このような造作家具での仕切りは、躯体を傷めることなく移動ができますので、簡便なリフォームとしても好評のようです。
大きく手を入れるほど、躯体にダメージを与えかねないリフォームやリノベーション。
最初からこの点を踏まえて、工夫一つで快適な間取りに変化させることのできるシンプルな作りが、家の寿命長期化の面でも有効に働くことでしょう。
このように、家の寿命の長期化は、「家そのものの強さ(長期優良住宅の条件を満たす、ないしはそれに近い強度・メンテナンスのしやすさ)」と、「後々リフォームしやすい家」の二つの側面で叶えることができそうです。
いくら安いとはいえ、数千万円の単位のお金が動く買い物ですから、家の長寿命化は願ってしかるべき。
「良い物を長く使う」ことが、この寿命の長期化にとっては欠かせない考え方です。
かなり単純にまとめると
ことが、家の長寿命化と切っても切れないキーワードです。
愛着のある家を、手入れをしながら長く住まう。
これは、いつでも住み替えのできる気軽な賃貸暮らしとは真反対の考え方でしょう。
だからこそ、上記2点をはじめから考えた、堅牢無比で手入れしやすい設計であることが大切なのです。
気になる中古住宅をチラシやネットで発見したとき、費用面で注意すべきポイントはどこでしょうか。
新築建売でしたら「すべて込」のような表現でくくられてしまっていることも多いでしょう。
中古住宅の場合でも、事細かに記載されていないことが多いようです。
かなり大づかみですが、中古の物件総額の約1割程度の金額が諸費用として必要であるとされています。
中古住宅を購入する場合に必要な諸費用は、どんとまとまって必要となる訳ではありません。
実際に「お金が動くタイミング」で発生すると覚えておいてください。
(物件購入を決め、実際に入居するまでの時間が短くなればなるほどまとまっては見えます)
以下、そのタイミングごとに(大まかに)どの程度の費用が発生するのかを見ておきましょう。
ここでは、土地・建物で3000万円の物件を見つけ、住宅ローンを2000万円(30年返済)のケースを仮定しています。
かなり大まかですので、参考程度に―。
契約書を作成するためには、印紙税がかかります。
この印紙税ですが、契約書そのものを作成する際に「文書作成分」として約2万円、「住宅ローン分文書作成分」として2万円かかります。
印紙税は、1000万円~5000万円までの借入額で2万円と覚えておいてください。
仲介業者への手数料は、概ね「物件価格3%+6万円+消費税」で計算されます。
ですので、この場合、100万円とちょっと。
まずはこの段階で半額の50万円少々を支払います。
もしも、固定金利の「フラット35」を利用できそうな建物の耐久性を備えている場合は、その照明を受ける費用として検査機関に5万円~で適合証明書を作成してもらいます。
この適合証明書の作成までを含めると、約70万円と頭に入れておくとよいでしょう。
引き渡しということは、文字通りその土地と建物があなたのものになる瞬間ということです。
土地や建物の持ち主の書き換え(登記)が必要です。
トータルで85万円程度を見込んでおくと安心です。
ローンの事務手数料は、商品(金融機関・内容)により異なります。
ごく一般的な融資額の3~5%程度で見込んでおきましょう。
住宅ローンの融資を受けた時は、「何らかの理由で支払いができなかった時のことを考えて家を担保にしてお金を貸しますよ」という抵当権設定を行います。
この抵当権設定にも手数料が必要で、この登録免許税も借入金額により決定されます。
更に、保証人が用意できないときに、保証会社に保証をお願いする「保証料」も発生。
引き渡し後の安全のための「火災保険」も必要です。
これらをかなり大づかみで見てみると
これらをまとめると、約70万円を見込んでおくと安心です。
新しい家には新しい家具を、とお考えのご家庭が多くあります。
家電から家具までとなると、どこまでを新しくするかにより左右されますので、ここでは引っ越し費用を込みで約100万円を計上しておきます。
カーテンや照明器具などのこまごまとしたものも、家一軒分となると無視できない金額となります。
多めに見積もっておいて損はありません。
新しい家具・家電を入手するということは、引っ越しの時点で古い家具や家電を処分しなくてはならないということです。
引っ越し費用+処分費用もかかりますから、そのために購入費用だけでなく多めに見積もっておくのです。
諸費用だけで、購入物件(土地・建物)の約1割の金額が必要となることがわかりました。
いずれも避けては通れない費用ですから、なんとか削れないかと思っても難しい部分ではあります。
つまり、気持ちよく「購入費用だけでローンを組む」となると、諸費用分と頭金の貯蓄はしておくべき、と言わざるを得ません。
もしもローンを組む際に選択の余地があれば、借入者が死亡や高度障害に陥った際にローン残高が保険金で相殺される生命保険である団体信用生命保険を金利に含める形のものを選ぶなどで諸費用部分を抑えることができるかもしれません。
また、保証会社に保証を依頼する「保証料・保証事務手数料」がかからないローンもあります。
借り入れの情報収集の時に、これら土地・家の購入に直接の影響はないものの、諸費用を抑える内容となっているものを見つけておくのも良い方法です。
また、どうしてもこの諸費用部分まで貯蓄ができていない場合は、融資の相談段階でローンに「諸費用を含んでほしい」という旨伝えておくことも必要となるでしょう。
中古なんだから、全てにおいて安くて当然と思ってしまう中古住宅。
ですが、なぜ諸費用が高いのでしょうか。
どうしても必要で、削ることのできない費用に「仲介手数料」があるからです。
この諸費用、新築住宅ならば物件価格の5%~8%、中古住宅であれば先に挙げた通り7%~12%(約1割)がかかります。
これは、この「仲介手数料」の割合が重くなるからです。
このことから、中古住宅の見た目の安さにごまかされず、きちんと諸費用までイメージできるようになっておかなくてはなりません。
最低限必要なのは、「物件(土地・建物)価格の約1割」です。
覚えておいてくださいね。
仲介手数料は売主から取るというスタイルで仲介手数料を0に近づける努力をしている不動産業者も現れ始めています。
また、火災保険料も複数の会社の見積もりを取り寄せてください。
不動産会社の勧める火災保険は一般的に高めのものです。
自分の手で情報を得るようにしてください。
良心的な仲介業者ももちろんありますが、彼らはやはり仲介手数料のみならず、ローンのお勧めや、火災保険料からも収益を上げようとするのが普通です。
そのため、「知識がないから」「調べる時間がないから」と言わず、是非ご自分で色々と情報を得る作業を行ってください。
先にも挙げましたが、新築の物件よりも中古住宅の方が諸費用がかかるのです。
リフォームまで考えたら、新築の方が安かったというケースは極力避けたいものです。
前々から住みたいと思っていたエリアに手ごろな物件が出たのなら、それはおそらく他の希望者もいるはずです。
そのため、「スタートダッシュが命」ともいえる状況でしょう。
その時に、既に頭金や諸費用を含む「当初必要な資金」が貯まっていることはもちろんのこと、ローンについても既に知識の取得済み、という状況が出来上がっていることが理想的です。
新築住宅であれ、中古住宅であれ、「気に入ったから買う」「飽きたから手放す」という気軽な売買でないことは明らかです。
家を持とう―こう考えた瞬間から、貯蓄に励み、最新の情報にアンテナを張っておくことが、理想的な家の買い方への近道なのです。
つまり、「今すぐにではないけれど、学んでおくべきことは学んでおこう」という姿勢が、家の購入後の支払いにまで影響してくるということなのです。
どうぞ、今この瞬間にも、学びという行動を起こしてください。
建築家や工務店、ハウスメーカーが行っている「ローン勉強会」なども利用してもよいでしょう。
ローン減税だけでなく、自治体ごとの補助金のように、エリア独自の情報もあるはずです。
口座には預金を、手元には最新情報を―。
これによって、スタートダッシュという側面で、他の購入希望者より一歩先んじることができるでしょう。
]]>今お住まいの家で「楽器の練習をしたい」「オーディオルームを作りたい」などのご希望はありませんか?
そのような場合は、今ある部屋を利用し、防音工事(防音リフォーム)を実行しなければなりませんね。
もしくはこれから家を考えるというご家庭であれば、最初から防音の手当てをした部屋を一室作っておきたいものです。
近隣住民間でのトラブルの多くは、騒音によるものです。
この不要なトラブルを防ぐためにも、家で音を楽しむためにはそれなりの手当てが必要です。
まずは、音がご近所へ伝わる仕組みを理解し、それらに対応するためのケアやコストについて考えてみましょう。
既にご存知の通り、音は、空気を揺らすことで「音」として認識されます。
また、楽器やスピーカーなどが触れる床や壁が揺れることでも「音」として認識されることがあります。
このため、防音でとても大事なのは「部屋と外部との遮断」なのです。
基本中の基本ですから、「何をいまさら」とおっしゃるかもしれません。
ですが、外部と完全に遮断してしまうことは、一般住宅ではとても難しい事です。
木造住宅であれば、外壁と内壁の間には通常、空気を含んだ空間があります。
細かな話をすれば、配管も外部とのつながりの一部です。
このようなことから、家における防音は、細心の注意と知識・経験の必要な工事であることを理解してください。
楽器演奏のための防音工事をお考えの場合、その楽器に適した防音のレベルがあることを知っておきましょう。
ご存知の通り、音の大きさを表現する場合「デシベル(dB)」で表します。
日常生活で私たちが触れる音は、粗方こういった数値となっています。
これを楽器に置き換えた時、
と言われます。
どうでしょうか。
楽器の音が100デシベル近辺であるとしたなら、先に挙げた地下鉄の音とほぼ同等の音を出していることになるのです。
防音はとても大切な事であることをご理解いただけたのではないでしょうか。
これら楽器の音を近隣の迷惑にならないよう防音対策を施す際に検討されるのが、「遮音等級(Dr等級)」といい、JIS規格で定められている基準です。
ドラムをご近所迷惑にならないようにしたい場合は、「D-65」~「D-75」程度の遮音等級が必要です。
先にも挙げた通り、楽器により数値がかなり変化します。
また、楽器を演奏する時間帯によってもどこまでの防音が求められるのかも重要な検討事項でしょう。
更に、家の構造(木造か、コンクリート系なのか)で施工方法も大きく変わります。
このため、ごく一般的な木造住宅で楽器のための部屋を設けたい(リフォームしたい)ケースを考えてみたいと思います。
「グランドピアノを昼夜関係なく弾きたい」
このような場合は、最低でも「Dr‐50」以上は欲しいところです。
壁・床・天井にはグラスウールや防音パネルといったものを導入し、楽器が床に触れる部分の振動を抑えるためにゴムパッドを敷き込むなどが最低限の施工でしょう。
楽器室の内壁を完全に取り換えるケースもあります。
外部との接点である窓を極限まで小さくし、防音サッシを入れなくてはならないこともあります。
おおよその目安は、6畳で300万円~。
ご近所の建物との位置関係により配慮する点も増える可能性があること、築年数によっては内壁を取り除いた段階で柱の傷みが発見されることもあり得ますから、予算には余裕を持って考えておきましょう。
楽器を設置するにしても、オーディオ機器を設置するにしても、空調はとても大切な側面です。
高温や多湿が楽器を傷めることは良く知られていることです。
そのため、新たにエアコンを入れることも必要となるでしょう。
このエアコン導入ができるかどうかも、希望の部屋に防音対策を施す価値があるかどうかの見極めポイントとなります。
このエアコンの配管部分も、外部との接点となります。
このような細かな点にまで配慮できる建築家やリフォーム業者を選ばなければ、後々の後悔につながってしまいます。
楽器演奏のための部屋やオーディオルームは、一般の部屋とは異なる配慮が必要であることはご理解頂けたと思います。
防音工事と一言で言っても、先に挙げた通り、楽器の種類や演奏する時間帯、近隣との関係など、トータルでの配慮が必要ないわば「専門職」。
通常の戸建て住宅でも、「子供の声がうるさい」などの苦情が発生していることを考えると、更に経験と知識が必要なのです。
ドラムなど、単に音だけでなく振動も気になる楽器でしたら、部屋の中にもう一つ部屋を設ける(内壁を更に設けて通常の壁とは極力接点を持たせないような内側の囲い)施工も必要なケースすらあるのです。
こうなると、住宅建築+音響への造詣が深い建築家やリフォーム業者の力が必要です。
「楽器 防音」などのキーワードで検索すると、その防音室の構造についての解説が出てきますので参考にしてください。
これから新たに家を建てる場合は、音に対しての知識を持つ建築家の知恵を借りることもできるでしょう。
ですが、既に存在する家の一室を楽器室にしたい場合、手っ取り早い方法が一つだけあります。
「防音ブース(組み立て式防音室)」を購入することです。
YAMAHAやカワイなど楽器メーカーなどから発売されていますから、まずはサイトを覗いてみてください。
50万円程度からあり、遮音等級も各種あります。
演奏したい楽器や、必要なスペースに合わせてチョイスできるのが、気軽でよいと思われるかもしれません。
楽器を取り扱うお店で、中古の防音ブースが販売されていることもあります。
ですが、どうしても部屋の一部がデッドスペースになってしまうことや、空調の取り付けが難しいことがデメリットとして挙げられます。
そのため、
などのようなケースで使われることが多いようです。
一言で「防音」と言っても、楽器や求められる遮音等級、家の建て方や状態により手当は様々であることが理解できました。
そのため、予算も一概にはくくれないこともご理解頂けたのではないでしょうか。
ですが、本格的に防音の部屋をひとつ作ろうとすると、最低でも300万円は覚悟しなければなりません。
音響には音響のプロがいるように、家の一部屋を防音するにも知識と経験がモノを言います。
音響に詳しい建築家か、楽器室を専門に施工している「防音業者」に依頼するのが正しい方法と言えます。
数百万円の単位のお金ですから、「さほど効果がなかった」という後悔は絶対に避けなければなりません。
また、一方では、楽器メーカーが販売する「組み立て式防音防音ブース」という選択肢もありました。
若干の不便はあるものの、設置がラク、費用面でも気軽でよいという商品でした。
近隣トラブルにもつながりかねない音の問題であるだけに、可能な限り手を尽くすに越したことはありません。
生活を豊かにする趣味ですから、誰にも邪魔されたくないですし、ご近所の迷惑になるようなことは避けなくてはなりません。
納得のゆくまで相談し、アフターサービスについてもきちんと確認しておく必要があるでしょう。
]]>海の見える家って、とても素敵ですね。
建て方によっては、まるで自分の部屋でその海を独り占めしているような「借景」を楽しむことができます。
更に朝焼け、ないしは夕焼けを家の窓で楽しめる家でしたら、この上ない贅沢かもしれません。
さて、この「海の見える家」はその景観から魅力的である一方で、気を付けなければならないことも多くあります。
今回はこのデメリットについて考えてみましょう。
塩害という言葉をご存知でしょうか。
文字通り、塩分による腐食を指します。
特に金属に顕著に表れ、サビの発生が早いのが、この海の見える家では避けて通れない現象です。
家だけでなく、自動車や自転車などの傷みも早くに表れます。
このような事から、木造であれ、鉄筋コンクリートであれ、家全体を定期的にメンテナンスする必要が生じます。
塗膜材など、塩気そのものから家を守る手当てがとても重要なこととなるのです。
また、暴風雨の際には、窓ガラスにも塩が残ってしまうことも考えられます。
お天気が荒れた後には、こまめな拭き掃除も必要なのです。
家や自動車・自転車のケアのために、敷地の数か所に水道を使える設備が必要になるかもしれません。
こまめに塩分を洗い流すことで、これらの腐食の発生を遅らせるケアが求められるのです。
ベランダなどに洗濯物を干しても、からっと乾かないのが海のそばにある家の特徴です。
これもまた、風に含まれる塩分の仕業。
このため、サンルームなど室内干しができるような仕組みを考えた方が安心です。
太陽光を取り入れながらも、外気との接点をできるだけ減らす。
これが、洗濯物を爽やかにさらっと乾かすのに大切な事なのです。
例えば敷地の問題でサンルームなどを設けられない場合、乾燥機能付きの洗濯機を使うなどの方法でしのぐ必要もあるでしょう。
また、植物がお好きな方にも、このサンルームなどの機能は大事です。
ほとんどの植物は、塩にとても弱いものです。
お祝いに鉢植えを頂いた、どうしても育てたい花があるなどの場合、日当たりを確保しながらこの塩分の影響を受けない場所を設けなくてはなりません。
それでなくとも高温多湿な日本の夏。
更に海沿いともなると、その湿気たるや大変なものです。
木造であれ、コンクリート系の建物であれ、通風や換気の対策をしっかりと施しましょう。
特に近年の家は高断熱・高気密であることから、24時間換気は普通のことです。
海の見える家であれば、窓を開けたくない日も多くなることは既におわかりのことですから、この通風や換気は市街地の家よりもしっかりと考えなければならないポイントなのです。
特にコンクリート系の家を建てる場合、建築後2~3年をかけて完全に水分が抜けます。
このことを考えると、機械的に強制的な換気を行わなければなりません。
塩害以前に、湿気による結露・カビなどの問題に見舞われるのです。
試しに、ネットで沖縄の人の暮らしぶりを調べてみてはいかがでしょうか。
(築数十年という古くからの建て方の家は別として)概ね窓は開けずにエアコンを入れっぱなし、という記述があるはずです。
海からの湿気・塩分により、フローリングがべたべたしているというのが、これらの記述の主な理由です。
3・11(東日本大震災)の際の写真や動画を未だ記憶しておられる方もおられるはずです。
このことから、海沿いの家は土地選びからしっかりと行う必要があります。
海が見える家はステキですが、標高はきちんと確認しましょう。
自治体では、防災マップなどの形で想定される津波の高さが公表されています。
それらを参考にし、津波のリスクを避けながらも海の見える土地が見つかれば安心です。
次に検討しなければならないのが、土地そのものの強さです。
土質や地盤の問題です。
埋め立てや旧河道、盛土した宅地造成地では液状化の問題も深刻です。
このため、海という水の影響を受けやすい、海沿いの土地では地盤改良が必要なケースも少なくありません。
海の見える高台、特に硬い地盤のある土地でしたらこれらの問題も比較的心配がないでしょう。
お散歩エリア(近隣)に海があることが希望なのか、家から海が見えればよいのか、このあたりの判断をこれらのリスクと考え合わせる必要があります。
家を建てる前に、きちんとした調査や手当をすることが、家族を守る家を建てる際の「基本のキ」です。
海のそばのエリアは、風の影響を受けやすい場所であることはご存知の通りです。
更に台風などが近づくと、それはもう「影響」と呼べるものではなく、「恐怖」にすり替わってしまいます。
せっかく海の見える家を建てるのだから、窓も大きくとって眺めを楽しみたい―そのようなご希望もあるはずです。
この、広い窓が、強風の際には恐怖のモトとなってしまうのです。
防犯を兼ねた強化ガラスにする、雨戸やシャッターを設けるなどの対策が必須事項です。
台風の時だけでなく、常に風を感じるのが海沿いの家。
つまり、砂埃に悩まされてしまうことも日常茶飯事です。
お天気のいい日は窓を開けたいのは人情ですが、お掃除がとても大変であることは覚悟する必要がありそうです。
主婦としては、入り組んでいない、お掃除のしやすい間取りを希望したくなるかもしれませんね。
また、傷のつきにくい床材も慎重に選びたくなるところでしょう。
「海の見える家」を手に入れたいと考えた瞬間から、「市街地の家では考えられないほどのこまめな手入れが必要」と覚悟を決めた方がよさそうです。
海風は殊の外家そのものに与える影響(塩害)が大きいことから、塩分を洗い流す「洗家」という作業を行わなくてはなりません。
洗濯物を外に干しづらい(からっと乾かない)ことから、サンルームの検討も必要でした。
また、砂が風に乗って家の内部に入り込みやすいということもあり、お掃除の頻度も上がる事でしょう。
また、地盤の問題や「木造か、コンクリート系か」といった家そのものの建て方も慎重に検討すべきポイントです。
これらは、その土地の状況を知り尽くした建築家の力を大いに発揮してもらわなくてはならない問題です。
家の素顔ともいえる「土地」、そして家族の入れ物である「家」―。
専門家ならではの知恵と工夫を凝らしてくれることでしょう。
そのエリアごとの特徴が顕著に表れる海沿いの家。
地場に密着した建築家を見つけることも、家づくりの大切な第一歩です。
まず、希望するエリアと思い描く家のイメージを伝えてください。
そして、その家ではどういったことが問題になりそうか、充分に相談をしてください。
それらのトラブルに耐える家を建てるにはどれだけの費用がかかりそうか、また暮らす上でのメンテナンスの手間についてもきちんと解説してもらいましょう。
希望する「海の見える家」>費用(建築費用+メンテナンス費用)+日頃の手入れ
であれば、その、希望するエリアでの建築は「Go!」です。
もしも、手間やメンテナンス費用で何らかの引っかかる点がみつかれば、エリアの変更や建て方の根本的な見直しが必要となります。
せっかく、夢の海の見える家です。
自然と寄り添って暮らすことのメリット・デメリットをきちんと理解し、納得した上で安心の暮らしを手に入れたいものですね。
大事な事ですので、もう一度…。
土地には、その土地なりの気候という「クセ」があります。
特に海の周囲はその影響がはっきりと表れます。
そのこともきちんと考えてくれる、地元密着の建築家を探しましょう。
そして、デメリットまできちんと説明してくれる人を頼りましょう。
そうすることで、「こんなはずじゃなかったのに」という大きな後悔をさけることができるのです。
あういえをの登録建築家のなかから、まず、ご希望のエリアに多く作品を持つ建築家を探してください。
安心の家づくりの一歩に役立てて頂けたら幸いです。
少子高齢化が私たち市民に与える影響には、大きく2つのものがあります。
―です。
厚生労働省が発表した「平成23年雇用動向調査の概況:結果の概要」では、女性が介護という理由により離職せざるを得なくなった年齢が55~59歳で最も高くなっているとされています。
30代で家を建てたとして、この頃にはそろそろ住宅ローンも終了しリフォームを考え始める頃かもしれません。
また、二世帯住宅として建て直しを考えられるケースもあるでしょう。
介護をする側もそろそろ体力面でムリがきかない年代となっていることから、家の機能に「介護を助けてもらう」必要があるでしょう。
もしくは、まだまだ若い世代で家を建てるとしても、後の介護リフォームを極力避けるために、初めからバリアフリーを意識した家づくりをしたいと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
「介護しやすい家」とはどのようなものでしょうか。
各居室ごとに気を付けなくてはならないポイントがあります。
その、それぞれのポイントをおさらいしておきましょう。
床を極力段差のない状態にしておくことは、最終的に車いすの使用を余儀なくされた際にとても有利に働いてくれます。
介護を受ける方の居室周辺にトイレ・お風呂など必要なモノを集中できればベストですが、もしも全てを満たすことができなかった場合、この動線さえフラットであれば移動の苦痛をかなり軽減することができます。
これは、何も介護だけでなく、子育て世代や妊婦さんがおられる頃にもかなりのメリット。
日々の暮らしの中でケガを避けるためにも、とても大事なポイントです。
ちなみに、高齢者のケガの原因で最多は家の中での転倒によるものです。
この転倒をきっかけに、寝たきりになってしまうこともあります。
親御さんの面倒を見ることが予測されている場合は、まずこの段差の解消を最初に考えたいところでしょう。
介護をする方が常にいらっしゃるエリアはどこでしょうか。
キッチンから見渡せるリビングダイニングかもしれません。
メインに介護をする方の滞在時間が多い場所から見通せる位置に、介護を受けられる方のお部屋があればベストです。
見守りがしやすいのと同時に、介護を受けられる方の声かけにも気づきやすいからです。
相互の安心のために、この位置関係はとても大切なこと。
また、既に日頃から車いすを利用されている場合でしたら、庭など外部へ直接アプローチできるスロープを付けておくことをおすすめします。
通院などのお出かけの際に車への移動が楽であると同時に、火事や地震などいざという時の脱出にも役立ってくれるからです。
特に介護を受けられる方が常におられるお部屋は、出入り口が複数あることが第一条件です。
介護を受けているということは、ご自分一人での移動が難しいということ。
何らかのトラブルからそのお部屋を抜け出せなくなってしまっては大変です。
介護しやすい家という点で、もしかすると一番最初に思いつくのがこの「お風呂」ではないでしょうか。
お手伝いすることでご入浴が可能なうちは、極力床面からの立ち上がりが低い浴槽でもよいですが、全面的なお世話が必要になるかもしれないことを考えた時にはバスリフトの導入という選択肢もあります。
廊下とバスルームの床面がフラットであること、入り口を広く取ることで車いすでの入浴が可能です。
入浴用の車いす(水回り用車いす)もありますから、まずは出入り口を広く取るようにしましょう。
車いすから浴槽へ効率よい移動を手助けしてくれる「トランスファーボード」と呼ばれる商品もあります。
車いすやトランスファーボードを利用するためには、介護を受ける方・介護をする方の最低でも二人が自由に動き回れるだけの広さが必要です。
トイレも、介護をする方・される方のお二人で動けるだけの広さが必要な場所です。
想像していただければすぐにわかる通り、奥行きではなく幅がとても重要なポイントとなります。
また、介護を受ける方の腕を首に回してもらい、介護する方が中腰になることでトイレに座ってもらうこととなりますので、介護をする方の腰への負担はかなりのものとなります。
介護をする方にとって、この時手すりはとても大事な手助けグッズとなってくれます。
介護を受ける方がまだご自分で立ったり座ったりが可能な時は、便座そばにセットできる手すりで大丈夫です。
または、便座自体が電動で昇降する「トイレリフト」をつけることで、ご自分で用を足すことも可能かもしれません。
介護される方にとっては、入浴よりも更に「恥ずかしさ」が伴うトイレですから、介護の段階に応じて極力多くのバリエーションに応えられるような設計にしておく必要があるでしょう。
お部屋で用を足さなくてはならなくなった場合には、カンタンな工事でOKなお部屋置き用の水洗トイレも発売されています。
手助けをすることで歩けるうちは、介護を受けるご本人もご自分で歩きたいというご希望があることでしょう。
そのためには、出入り口となる玄関にも工夫が必要です。
外部からのアプローチにはスロープを設け、玄関の土間部分から廊下への立ち上がり高を極力低く抑える、脇で支える介護する方・介護される方の最低でも二人がラクラク移動できるだけの幅を見込んでおかなくてはなりません。
靴を履くために一時的に腰かける椅子があるとなお便利です。
車いすでの移動になってしまった時は、外部から土や砂を家に持って入らないよう、車いすのタイヤのお掃除がしやすいような工夫も必要かもしれません。
玄関わきに設けたスロープ部分に水道を引いておくなどの手当ても含まれるでしょう。
本格的な車いす生活に入った時のことをきちんと考えておかなくてはならないことの一つに、家具と車いすの高さの関係です。
意外と見落としがちなポイントでありながら、毎日の生活に直結する問題ですので、設計段階できちんと相談しておかなくてはなりません。
ご自宅で介護をされることの目的は、「できるだけ家族と過ごす時間を大事にしたいから」―であるはずです。
それなのに、キッチンや洗面台、ダイニングテーブルに入り込みづらいのがこの車いす。
出来ることは自分でしたい、家族と一緒に食卓を囲みたい…という希望を持っていても、設備や家具の問題からこの夢がかなわないのではとても残念です。
造作家具・設備をオーダーしたい場合は、この車いすの高さをしっかりと考え合わせてもらいましょう。
作り方によっては、洗面台の下部を排水パイプのみにすることで、車いすでも使いやすい洗面台を実現することができます。
電動昇降式のキッチンもありますので、体調の良い日は一緒にお料理といった暮らしもできるかもしれません。
これらは、出来合いの設備・家具ではカバーできない部分ですから、建築家もしっかりと相談に乗ってくれることでしょう。
「介護しやすい家」といっても、人それぞれに状態が違うだけに、取り組み方もそれぞれです。
また、症状(状態)も固定ではなく、これから先の状態を見越した家の作り方をしなくてはなりません。
そういった意味では、より専門的な見地からのアドバイスが必要となるのが、介護を前提とした家です。
必要に応じ、こまめに手を入れられる「素地」があってこそ、アレンジが利く家となるのです。
このフレキシブルさの範囲が広ければ広いほど、快適な介護生活に繋がります。
介護しやすい家は、単に介護だけでなく、お子さま・妊婦さんにも、思わぬケガで松葉づえや車いす生活を一時的に余儀なくされる時にもとても有利な家です。
ご家族が一緒に長く住む家、それだからこそ機能美と呼ぶべき特別な美しさが求められるのです。
これこそ、建築家の得意とする「型にはまらない家」と言ってもよいでしょう。
]]>それは、
「その家は自分たちの代が住めばよいのか」
「代々引き継いで行って欲しいものなのか」
というとても重大な判断です。
まず、ここからしっかりと考えておいて頂きたいのです。
というのも、ここ10年近く叫ばれていることに
があることはご存知の通りでしょう。
ですが、近年、新たな面が浮上してきています。
という側面です。
これらを含めて「家づくり」「土地選び」について、筆者なりの分析をしてみました。
※これは筆者である矢野由美の考えであり、「あういえを」や「あういえを登録建築家」の見解でないことを先にお断りしておきます。
少子化・高齢化が、郡部のエリアに与えている大きな影響は既にご理解頂けていると思います。
現実に、人がいなくなったために廃村となった土地も少なくありません。
毎月お給料から引かれている住民税は、何に使われているかお考えになったことはありますか。
「住んでいる市町村の行政サービスの元手になっているんだろう」というのは容易に想像がつくことですが、その行政サービスの中に、上下水道や道路などのインフラ整備・維持管理に使われていることをきちんと身近に感じておられるでしょうか。
地方都市に行けば行くほど顕著ですが、「こんなところに人が住んでいるの」という場所にぽつんぽつんと家を見かけることがあります。
何十年・何百年の昔は栄えていたのかもしれないその場所も、高齢化・少子化の影響でそのようになってしまったのです。
その土地には、道や水道のインフラはないのでしょうか。
いいえ。もちろんあります。
その土地の道路や水道の維持管理費用も、私たちの納めている住民税から支出されています。
(これはこのようなエリアにお住まいの方たちを非難するための記述ではありませんので、お間違い頂きませんようお願いいたします)
これは既に国も認識していて、2050年を見据えた「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~」で、
との見解を一部で示しています。
一方で、2014年5月に報道でも取り上げられた「消滅可能性都市のリスト」(通称・増田レポート)では、2040年までに消滅の危機を免れないと推測される都市が523もあるのだとしています。
詳しくは「地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減 」に譲ります。
国の認識と、元総務大臣・元岩手県知事である増田寛也らの見解はほぼ一致を見ています。
少子化(=人口が増えない)<高齢化(=人口が減ってゆく)訳ですから、
といった問題に、地方の自治体はこれからどんどん巻き込まれて行くということなのです。
さて、あなたが、こういった問題に遭遇する自治体の首長であった場合、何を考えるでしょうか。
答えはおのずと出てくるはずです。
「選択と集中」です。
少子高齢化はなかなか止めることのできない面である事から、扶助費は削れません。
可能な限り、住民には市街地に出て来てもらい、インフラ維持費をできるだけ落としたいという考えが一番に上がって来るでしょう。
「コンパクトシティ」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。
これは、これまでの郊外へ広がり続けてきた開発などを極力抑制し、空洞化していると言われている市街地に人を呼び戻そうという考え方です。
(http://www.thr.mlit.go.jp/compact-city/contents/cases/cases.html)
実際に「コンパクトシティ」を実証実験的に行っている都市があります。
代表的な例としては、札幌市、稚内市、青森市、仙台市、富山市などがそれです。
それぞれの都市ごとに抱える問題は多岐にわたりますから、このコンパクトシティへの取り組み方は多種多様ではあります。
ですが、根本はやはり「市街地に人をどうやって呼び戻すか」「郡部に今現在住んでいる人たちの理解をどう得るか」の部分です。
先に挙げたように、現存する「郡部に今現在住んでいる人たちの理解を得る」ということが大きな課題として挙げられます。
そして、次に大事なのが、「市街地に人を呼び戻す」仕組みづくりです。
郊外に家を構えたケースを考えてみてください。
ご自分が年齢を重ね、自動車の運転に不安を感じた時、病院への通院や買い物に支障をきたすことは容易に想像できます。
その時には、既にお子さまは巣立たれ、ご自分で家を持たれていることも考えられます。
広く、がらんとした家に二人暮らし、生活に困るようになった時、「便利の良いまちなかに住み替えようか」というのは自然な流れです。
実際にそういうケースは多くあり、持ち家を売ったお金で購入できる(多少古くても)夫婦二人サイズのマンションを購入する人たちは多くいます。
では、まちなかでは今何が起きているのでしょうか。
これまでの人口増加に伴う「宅地は郊外」といった方向性により、市街地でも店舗・マンション共に空室が目立っています。
人や事務所の入らないビルでは、メンテナンスもなかなか行われていないケースもあります。
コンパクトシティの考え方に沿うならば、「歩いて回れる範囲内で全てが完結すること」が必須条件です。
買い物や病院が、徒歩圏内にあることが大事なのです。
これらの問題は、個人商店などの在り方にも影響を与えます。
似たような品物を扱う店ばかりが揃っていては、徒歩圏内での生活の完結は無理です。
まんべんなく必要な商品が手に入るよう、出店する店をある程度コントロールしなくてはなりません。
このような役目を果たす人たちも既に存在し、活動をスタートさせています。
総務省が派遣する「地域活性化伝道師」という人たちを中心に、まちなかをどのように活性化し、集いやすく、住みやすい場所にするかをワンストップで相談できる場所が多くの都市にあります。
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/26dendoushi.html)
これら地域活性化伝道師は、各種の法に通じているだけでなく、まちのデザインにより深くかかわった経験を持つ人たちです。
まちなかにお店を持ちたいという場合は、これらの人たちに連絡を取ってみるのがよいでしょう。
「まちの人々に歓迎される店」を実現する早道です。
民間レベルでも、このような資産(ストック住宅、ストックとも呼びます)をどのように再生するかという取り組みが始まっています。
マンションのリノベーションや、オフィスビルのマンション化などのコンバージョン(用途変更)を行うなどして、これらのニーズに応えようという動きが盛んになってきました。
ここで手腕を発揮するのが建築家です。
建築家自身もこれらリノベーションやコンバージョンを通し「まち」を考える勉強会や、まちづくりに興味のある人たちを巻き込んだイベントを開催するなど、積極的に動き始めています。
代表例としては、「リノベーションスクール」があげられるでしょう。
建築家対象のプログラムはもとより、一般の方が自分自身で家具を作ってみるなどのセルフリノベーション体験のようなプログラムで、「建築家と一般の人」の垣根を越え、家とまちの関係を考え続けているものです。
あういえをのブログでも、「市街地の中古物件をリフォーム」「中古マンションのリノベーション」などの切り口で取り上げたようなことが、ムーブメントとなり始めているということなのです。
若手建築家との対談のチャンスを数度得ましたが、彼らが異口同音に言うのが「新しいものを作るのは罪だという風潮が既にある」ということでした。
つまり、まだ使えるもの(マンションや家)があるのに、新しいものを建てるのがはばかられる、ということを指しているのでしょう。
そのような意識を持った建築家は、リノベーションやコンバージョンに対しての造詣が深いのが特徴です。
建物を通して見る「まちのありかた(=住まいやすさ)」を意識しているからです。
家は、単体では意味をなしません。
まちとうまく溶け込むことにより、生活が成り立つからです。
冒頭の
「その家は自分たちの代が住めばよいのか」
「代々引き継いで行って欲しいものなのか」
という問いに対し、あなたはどう判断されるでしょうか。
これまで取り上げたいくつかの側面から考えたとき、この大きな選択は、その後のあなたの資産価値にとってとても大きな影響を与えることはご理解頂けたのではないでしょうか。
あういえをのブログ記事でも取り上げてきたように、現代日本において30年後に残るのは土地の価値のみという現実があります。
その、30年後のあなたの土地や家の価値を、事前に想像しながら家づくりに臨んで頂きたいのです。
近頃、大手ハウスメーカーの謳い文句の中に「100年住宅」などの美しいキーワードがあります。
これは、代々住み継ぐ家として考えたときの取り組み方でしょう。
このような家を、くしくも人口減少が著しい郡部で建ててしまった場合、「家はまだまだ大丈夫なのに、インフラの維持管理エリアから外れてしまった」という残念な思いを、子や孫の世代で経験する可能性が否定できなくなってきているのです。
また、いざという時に残っているであろう土地の価値も、ぐんと下がってしまっている可能性も充分に考えられるのです。
また、何かの災害の折に「孤立」してしまうのは、山の中にある郡部が群を抜いて多いことも覚えておいて頂きたいと思います。
安心・安全のための家ならば、孤立が考えづらい場所を選んで頂きたいのです。
住む場所を選ぶのは、もちろん個々人の自由であり、権利です。
ですが、一旦家を建てれば、少なくとも30年、時には手を入れながら子や孫の代まで住む場所となることを考えるならば、上記の動きを知っておいて頂きたいと考えます。
少子高齢化をどうするか、というのは経済の問題とも深く関係している部分ですので、ここで論じるのは避けます。
が、少子高齢化に即した家のありかた、まちのあり方は、個々人でも充分に考え、対応できる面があるのです。
さて、あなたの家は、「自分の代で終わり」ですか?
それとも、「住み継いでもらいたい家」として考えていますか?
その答え次第では、選ぶべき土地(エリア)は慎重に検討してください。
どうぞ、ご参考までに―。