3 Oct 2014
設計者:岡田 央さん
今ではなかなか手に入れることのできない素敵なエリアに家が欲しい―。
こういう時は、やはり「中古物件」がひとつの選択肢となるはずです。
いえ、むしろ中古物件を狙わなくては、他の方法が見つからないことがほとんど。
中古マンションを購入し、自分好みにデザインリフォームすることで、好みの部屋を作り上げてみるのはいかがでしょう。
マンションの購入、リフォームやリノベーションに関しては、「中古マンションを購入する際に覚えておきたい6つの側面」「マンションリフォームにかけたい費用―ここだけは!の7項目」「マンションリノベーション―住み心地と費用の明暗を分ける6ポイント」でも取り上げました。
今回は、中古マンションを購入し、建築家やデザイナーに依頼するデザインリフォームに関係した手順について、より詳細に検討してみたいと思います。
1.安心・安全な強固なマンションを手ごろな価格で入手する
マンションや家を購入することは、日常よく言われる「一生に一度のお買いもの」です。
いくら中古と言えど、大きな金額が動くことは皆様ご存知の通りです。
更に、憧れのエリアであれば金額も急激に落ちることや、流通する物件数の増加は考えにくいため、常にアンテナを張っておくことが必要です。
デザインリフォームを行うことを前提に考えると、ほんの数十万円でも安く購入することがとても大切。
その分を、リフォーム費用に回せるからです。
不動産情報は日々変動するものですから、中古マンションを取り扱うサイトや、知り合いのいる不動産業者などからこまめに情報を入手するようにしてください。
2.大規模改修前がプラスにはたらくことも
マンションは、入居者から月ごと・年ごとで「修繕積立金」を徴収し、10年~15年に一度大掛かりなお手入れをします。
窓ガラスなど、固有の部分であってもこの大規模な補修の時に一斉に変えることもあります。
これら窓ガラスは、防犯や断熱性能向上のために、個々の希望が通りやすくなってきています。
「共有部分」「占有部分」とでできること・できないことが明確に分かれてはいますが、この窓ガラス一つをとってもわかるように、自由度が上がってきていることは事実です。
そのため、少しでも自分好みのデザインリフォームを完成させるためには、大規模改修前が良いケースがあるのです。
更に、管理規約をきちんと確認し、「どこに手を入れてよいのか」をきちんと確認するようにしてください。
自分の希望がどこまで通るのか、これがリフォーム前提での中古マンション購入の要の部分です。
1990年代後半以降に徐々に登場し、浸透している考え方に「スケルトン&インフィル」というものがあります。
躯体(壁などの基本的に動かさない部分)はしっかりと、その他の今後動かすかもしれない内装に近い部分は柔軟に、というのがその考え方の基本です。
テーマは「可変性」。
デザインリフォームを前提に考えた中古マンションの購入は、このスケルトン&インフィルであるかどうかでリフォームの満足度や費用を大きく左右します。
3.「中古購入+リフォーム」ローンを活用する場合は
近頃では、中古物件の購入代金とリフォームにかかる費用を合算し、ローンを組めるという便利な商品が増えています。
一括でキャッシュ支払できるという方はごく一部でしょうから、このローンを活用するために必要な流れをおさらいしておきましょう。
- 住みたい部屋のイメージを決めておく
- 中古マンションのデザインリフォーム実績のある建築家を見つけ出しておく
- 出物と思われる中古マンションを見つける
- その物件を、建築家と共に見学に行く
- 管理規約などと照らし合わせながら、その部屋でどれだけイメージに近づけることができるかを建築家と相談
- 必要なリフォーム予算決定
- 購入手続きと同時に、リフォーム開始
- リフォーム完成後に入居
概ね、こういった手順を踏む必要があります。
無事購入ができればよいですが、人気エリアの物件は他の方も探していることが常。
いつでもスタートダッシュができるよう、「住みたい部屋のイメージを決めておく」「中古マンションのデザインリフォーム実績のある建築家を見つけ出しておく」という段階までは、既に終えておく必要がありそうです。
ある程度の頭金を溜め、ローンの承認がすぐにでも下りるような「信用状態」を数年かけて作っておくこともとても大事な事でしょう。
4.リフォーム実績のある建築家とパイプを築いておく
マンションリフォームを得意とする建築家を複数探し出し、見学会などに足を運び対面の会話をしておくことをおすすめします。
というのも、先に挙げたとおり、希望する物件が現れてからのスタートダッシュが何より大事です。
「これは」と思える物件が見つかってから建築家を探していたのでは、その段階で他の購入希望者に残念ながら負けてしまうことは目に見えています。
自分の希望するテイストを実現してくれそうで、なおかつマンションリフォーム特有の問題をも熟知した建築家とのパイプを事前に構築しておくことこそが、このスタートダッシュにおいては大前提なのです。
マンションリフォーム特有の条件として
- 管理組合への届け出
- 近隣世帯の承認の取り付け
- 工事概要の提示
が必須です。
これは、一戸建て住宅にはない、マンション独特のルールです。
このルールを知らない(つまりマンションリフォームの実績のない)人に任せては、進むものも進みません。
建築の知識だけでなく、このような「専門家だからこそ任せたい」部分も多く含むのがマンションのデザインリフォーム。
ご自分でできる事柄もあるかもしれませんが、マンションの構造や規約といった厳格なルールの中で行うリフォームは、手順や話の進め方も煩雑。
そのため、マンションリフォームに精通した建築家の手腕が必要なのです。
建築家とすすめるデザインリフォームは、知識・経験が「最大要件」
このように、「気に入った物件が見つかったから、これに手を入れて…」と考えていては、その物件を取り巻く勝負に「負けてしまう」ことがわかります。
やはり、周辺環境や交通の利便性、その土地の持つ雰囲気から人気のエリアでは、「ここに住みたい」と考えているライバルは多数いるはずです。
これはもう、表にこそ見えはしませんが、熾烈な戦いと言っていいでしょう。
この戦いには、出物と言える物件を見つけたら即座に動ける体制が整っている希望者が勝つことになります。
- 安心・安全な強固なマンションを手ごろな価格で入手する
情報はまめにチェック。
人気のエリアでは、物件情報も1日単位で変動する。 - 大規模改修前がプラスにはたらくことも
共用部分とされるスペースも、個人の希望が通ることがある。
1990年代後半以降の「スケルトン&インフィル」なマンションが手を入れやすい。 - 「中古購入+リフォーム」ローンを活用する場合は
スタートダッシュが命。
建築家との出会いと、すぐにでもローン承認が下りるだけの状態を築いておくこと。 - リフォーム実績のある建築家とパイプを築いておく
マンションリフォームには独特の交渉、ルールがある。
マンションリフォームの実績のある建築家を事前に探しておくことが大事。
おおまかにこの4点をクリアしておくことで、「いざ!」というときに動きやすくなります。
中古マンションのリノベーションやリフォームはローンが使いやすくなったこともあり、じわじわと人気の出てきている住まいの購入方法です。
何度も申し上げますが、物件を見つけてからのスタートが早ければ早いほど、夢に近づくことができます。
購入者(お施主さま)側でできることは、任せてもいいと思える建築家と仲良くなっておくことと、ローンをすぐにでも認めてもらえるような状況づくり、日々の不動産物件のチェックです。
これさえできていれば、「これは」と思える中古マンションに巡り合えた時にスムーズに動き出せます。
事前にあういえをの作品集をご覧になったり、「家づくり相談」で建築家へアタリをつけておくのはいかがでしょうか。
ステキな中古マンションのデザインリフォームは、ステキな建築家の出会いを果たしておかなければ実現しないのですから…。





