小浜の民家再生
福井県 戸建住宅 151平米~
街中での住宅の設計は、外部の劣悪な環境からの防御や密集地でのプライバシーの確保などから、いきおい閉鎖的な構えとなりがちです。その中で光や風・雨の恵みを得るためには内部に庭を持つ中庭型の構成となり、住まいの中で、中庭を通してお互いの視線が行き交うつくりとなります。
一方このモデル住宅は、みどり豊かな山村地域に建設され、街中の閉鎖的な住まいとは異なり、開放的で、互いの視線がそれぞれ全く別の方向に向けられるように計画をしています。住まいの各コーナー部の開放的な窓からは異なった自然や山村の景色が眺められ、また、あたりを通り行く人々との視線の行き来を促します。住まいのそれぞれの部分は互いに孤立してしまうことのないように、壁や建具で間仕切られることなく45度に振って設けられたコアによって緩やかに分節されています。あたかもそれぞれの部分は互いに背を向け合っているようでいながら、常に背後に気配を感じ、全体が一つのまとまりであるように空間がつながり、巡っていきます。
住まいの中心のコアには高齢者のための洗面、便所、浴室を設け、これを同時に通り抜けの路としています。居間と寝室をつなぐ2つの動線の一方を食事のスペースとし、もう一方のいわば抜け道の動線をサニタリーゾーンとして、高齢者の利便を図っています。そしてサニタリーを一箇所に集約して設けることにより、介助のスペースや脱衣のベンチなどを生み出しています。
高齢者の住まいとして室内の床には段差・敷居は設けず、常に体の接する部位ですので柔らかく暖かい杉の厚板を張っています。土間は滑りにくい豆砂利洗出し仕上げとしスロープや腰掛けを設けました。天井は45度に振られて変化に富む小屋組みを杉材の露し仕上げとし、床・天井の杉と対比させ、かつ、窓の外に広がる景色を妨げない背景として壁は吸湿効果のある塗り壁としています。下地は将来必要に応じて介護機器が取り付けられる構造としています。
この住まいは、岐阜県の「みどりの健康住宅」のプロジェクトのモデル住宅として、設計競技を経て建設されました。
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