知らないと損する?建売住宅にひそむ7の注意点
既にもうそこに建っている「建売住宅」。姿が見えているため、暮らしぶりをイメージしやすいというメリットはありますが、本当にそれで購入を決めてもいいのでしょうか。「見えない問題点はないのか」とお考えの方もいらっしゃることでしょう。今回は、この建売住宅で注意すべき点を拾い上げてみましょう。
1.希望の間取り・デザインが探しづらい
建売住宅とは、文字通り既に建っているものを購入するという住宅取得のスタイルです。そのため、希望の間取りやデザインのものを探しづらいという残念なポイントがあります。最近でこそ建売住宅もオシャレでエッジの効いたデザインの物も増えましたが、それでも細部に至るまで希望通りのものに出会うことはできません。家という入れ物に、住まい手が暮らし方を合わせなければならないことにストレスを感じ、これまでの賃貸暮らしを辞めたいという方には恐らく無理があるはずです。
自分の理想を追求するのであれば、建売住宅はあまりお勧めできません。
2.見えないところのチェックができない
建売住宅の良い所は、家が既にあることです。そのため、即購入・入居ができ、時間的な余裕がない場合は有利な方法といえるでしょう。一方で、建築工事中の様子がわからないため、施工中に何が起こっているかを知ることができないのが大きなデメリットとなります。
いわゆる「手抜き工事」が行われていたとしても、そのことにすら気づかずに買ってしまった、というケースも存在するのです。直接目に触れない部分こそ、むしろしっかり作っておいて欲しいのが家。購入したのち、「こんなつもりでは…」という状況は何が何でも避けなければなりません。
今でこそ瑕疵担保責任について広く知られている状況ではありますが、売買契約書に瑕疵担保についての明記があるかを確認しなければなりません。「瑕疵担保責任期間とその適用内容」が盛り込まれているかをしっかりチェックしましょう。
売主に責任を問うには、買い手側がその瑕疵(欠陥)を証明する必要があります。話がこじれるようであれば、第三者の専門家に依頼して調査報告書を作成してもらわなければならないこともあります。仮に瑕疵が認められ、売主が手を入れてくれることになったとしても、その工事期間中に仮住まいを余儀なくされたりすることもあるでしょう。また、住みながらの手入れとなるとかなりのストレスを招いてしまうことになります。
3.一見安くとも…オプションで価格が跳ね上がる事も
人が住まうハコという意味では機能を満たしてはいても、家や家族を守るために必要なシャッターや外構フェンスといったものがついていない建売住宅も少なくありません。これらのものを“後付け”すると、ぐんとコストがかかってしまうことがあります。
建売住宅を購入する場合は、必要な物が必要なだけきちんと準備されているのかを吟味することが大切です。価格にばかり目が行ってしまったばかりに、後の追加工事で予算を大幅にオーバーしてしまっては元も子もありません。最初から家の機能や設備に不足がないかどうかをじっくりと考えて購入に臨みましょう。
4.家の性能に不足があれば、火災保険の費用もアップする
火災保険・地震保険の掛け金は、家の性能によって大幅に違ってきます。この点を覚えておきましょう。耐震等級が高ければ、また耐火性能が高ければ、支払うべき保険金は安くなるのです。保険=リスク回避のとても大切なキーワード。これは無視できないポイントです。
近年の異常気象により、保険会社が将来の収支予測が難しいとし、10年を超える契約(まとめて支払う方法)を取りやめる傾向がみられます。また、掛け金も上昇傾向にあることから、できるだけ家の性能で不安要素を払しょくしておかなければなりません。少々高くても良い家を―これからはこのような考え方で家の購入に臨まなければならなくなっているのです。
5.小~中規模な宅地開発に伴う建売住宅―環境が整わないことも
大規模な宅地開発により行われる建売住宅販売には、公園(緑地)や集会所(公民館)などを同時に設けなければならないという基準があります。一方、小~中規模の宅地開発では、生活になくてはならないこれらの設置の義務がないことがほとんどです。
このような宅地で建売住宅を購入する際には、周囲の環境までも充分に検討しなければなりません。学校区はどこなのか、いざという時の避難場所はどこなのか―既に存在する近隣の施設に頼らざるを得ないため、しっかりと自分の目で“調査”を行いましょう。
6.コミュニティ形成が難しいことも
災害時に、“コミュニティ力”を最大限に発揮しなければならないこともある近年の日本。新規の宅地開発によって販売される建売住宅では、このコミュニティがうまく形成できないこともあります。建売住宅は、販売価格帯によって概ねの購入世代が決まるともいわれます。ご近所の住民が全て働き盛りであれば、顔も見たことがない、話をしたこともない、といった状況を招くこともあります。
いざというとき、お互い様の精神で助け合わなければならない事が増えてしまった現代、宅地開発と建売住宅に関連したこのような側面も理解しておかなければならないでしょう。
7.自分自身の「許せる範囲」を把握しておく
既に建っているからこそ生活をイメージできると同時に、その家のあり方に暮らし方を合わせなければならない建売住宅。ここに最大の難関が待ち受けています。住み始めてから気になるポイントが表面化しても、変更できないのが怖いところなのです。
これを避けるためには、家としての機能である「家事動線」「通気」「日照」「音の響き方」といった、最低限抑えるべき点をクリアできているかどうかを慎重に見極めましょう。出来る限り、曜日や時間帯を変えて内部を見せてもらいたいところです。家を取り巻く環境は、時間帯によっても、果ては季節によっても大きく異なるからです。
購入者となるであろうあなたが、何を一番大事に考え、どの点ならば妥協できるのか―優先順位を明確にし、許せる範囲を自分で理解しておくことが重要です。これは、建築家と作る家でも同じことですが、専門家の知見で課題を整理してもらう注文住宅とは異なり、自分自身で判断しなければならないのが建売住宅なのです。
一度家を購入すれば、少なくとも30年は住む場所となります。将来をも見通した家選びは、あなた自身の責任において行わなければなりません。
おわりに
好みや家そのものの機能といった条件面さえ折り合えば、比較的安価に購入できる建売住宅。ですが、その分、購入者自身で注意を払わなければならないポイントも多くありました。このような注意点・問題点を回避するには、売主が信頼できる会社かどうかから調べなくてはなりません。
その会社は、設立されてまだまだ新しい会社ですか。それとも、地場に根付いた信頼されている歴史ある会社でしょうか。その会社がこれまでに建ててきた家の評判は?―この点をきちんと下調べしておく必要があります。
建売住宅すべてが問題ありという訳ではありませんが、比較的安い分だけ、どこかで何らかの妥協をしなければなりません。目に見える部分で折り合いがつけばよいのですが、目に見えない部分でトラブルを抱えていないかどうかを見極めるのが難しいのが建売住宅なのです。
少なくとも、親子代々で住み続ける家とはならないのが現状、といえそうです。
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