一軒家の購入【情報の集め方~住宅ローン~まずやる事】まで徹底解説!

2015/09/15

設計者:宮崎晋一さん

一軒家を購入したいという夢を持ち始めても、「さて、何から手を付ければよいものか」と立ち止まってはいませんか。家の購入は、一生のうちに何度も経験するものでないだけに迷って当然です。今回は、一軒家を購入するまでに行うべきことを順に追い、段階ごとに気を付けるポイントをお伝えしてみようと思います。

1.大まかなフロー―情報収集から契約先決定に至るまで

1-1.情報収集

まずは情報収集からはじめます。単に情報収集といっても、かなり多岐にわたります。

  • 土地探し
  • 建築家探し(もしくはハウスメーカー・工務店)
  • 予算決め

これを並行して行うこととなるはずです。

この情報収集の段階は、多くの時間をかけて頂きたいと思います。値段の張る洋服一枚、車一台買うにしても、最初に目にした商品を購入したりはしません。事前に何らかの下調べをするものです。何千万もの予算を投入する一軒家であればなおさら。どんな業者とも話ができるよう、基本的な知識を身に付けておくべきです。用語は特に大切で、その単語が差す意味を理解しておかなければ、同じ視点にたった会話がしづらくなります。

月刊の家づくりの雑誌があります。WEBサイトもあります。最近家を建てた知り合いに話を聞くという方法もあります。

「一軒家を購入したい」と考え始めた段階での情報収集は、浅く広く、雑学を身に付けるような感覚でいればよいでしょう。

1-2.比較検討

初期段階の情報収集を進めていくと、「この建築家(工務店・ハウスメーカー)の家が気になる」「この土地が気になる」というものが現れてくるはずです。

一軒家はまず土地ありきから始まりますが、土地の条件によって建てられる家も変わってきます。土地選びと業者選びを並行することがベストではありますが、時間的な余裕があれば、先に建築家(工務店・ハウスメーカー)を絞り込むとベターです。候補に上がっている土地に対してのアドバイスがもらえるからです。

1-3.契約先決定

複数の不動産業者や建築家(工務店・ハウスメーカー)と実際に対面で話をします。展示場やオープンハウス、売りに出ている土地を実際に見に行けば、建築家や営業担当者と会うことができますので、気になることはどんどん質問しましょう。

ここで確認しておきたいのが、人としての相性です。一軒家を購入する際に注文住宅を選ぶのであれば、打合せは避けて通れない道です。少なくとも数か月の間(プライベートな事も含め)いい意味での激論を交わさなければならない相手となる人を選ぶのですから、「人間」に着目することもお忘れなく。仕事や家事の合間を縫って打ち合わせをする人となるですから、ストレスのない関係を築くことが大切です。

2.契約先ごとの特徴を理解する

一軒家を購入する場合、契約先は「建築家(と工務店)」「工務店」「ハウスメーカー」の3つの中から選ぶこととなります。

2-1.建築家

個性的な家が欲しい、土地にクセがあり工夫が必要、一生涯の家として住むために必要な細かな相談がしたい。

2-2.工務店

地元での施工棟数も多く安心感がある、建てようとしているエリアでの評判が解りやすい、メンテナンス時も細かな対応をしてくれる可能性が高い。

2-3.ハウスメーカー

展示場のモデルハウスで家に触れることができる、規格の中に収めるデザインにより打合せの時間が短くて済む。

といった特徴があります。

自由度や価格帯などについては、「ハウスメーカー・工務店・建築家…それぞれの具体的な違いは?」、「【ハウスメーカー一覧】代表的な8社の特徴・坪単価を比較!」、「注文住宅と坪単価のカラクリ―建築家の家は決して高くない!」もご覧になってみてください。

3.【重要】資金計画はファイナンシャルプランナーにも相談

一軒家を購入する際、キャッシュで一括という方はほとんどいらっしゃらないのが現実です。

最長で35年のローンを組むことが一般的です。ローンとはつまり借金。金融機関も、ハウスメーカーも、利益を得るために可能な限り高い物をすすめてくるはずです。この営業活動によって、後の生活が苦しくなっては元も子もありません。ローンが生活を圧迫し、たまの外食も家族旅行もお預けとなれば、ただ単に苦しい生活を強いられるために一軒家を購入したようなものです。

収入に対し日々の支出が適正かどうか、ローンを組んでも大丈夫か、第三者的な立場で冷静な指摘をしてくれるファイナンシャルプランナーなどに相談をしておくことが大切です。家を購入し、そこで子供を育て、巣立たせ、老後の生活を謳歌するためにはどれだけのお金を用意しておけばよいのでしょう。長期的な視点で、安全な額でローンを組まなければなりません。

相談に費用がかかっても、決して無駄にはなりません。

住宅ローンの基礎知識は、「マイホームのローン計画―知っておくべき3つの側面+1つのアイディア」、「住宅ローンの仕組みと金利について知らなくてはならない3つのこと」などもお読みください。

4.【重要】“我が家のライフスタイル”を確認しておく

一戸建てといっても、そのスタイルは様々。一から図面を描く注文住宅は、法と予算の制限内で、最大限あなたのご家庭の暮らし方に合わせられる家です。好みのスタイル・望む使い勝手に合わせてもらうためには、文章にできるレベルにまで“我が家のライフスタイル”を明確にしておくのがベスト。

例えば、

  • ご夫婦のうちどちらかが3交代勤務で就寝時間がまちまち
  • 二世帯住宅のため親世帯と子世帯が相互干渉しないようにしたい
  • 趣味の品の収納庫が欲しい
  • 親戚や友人が泊まりに来やすいような家にしたい…

新しい一戸建てでの生活に直結するポイントは、箇条書きにしておくと伝えモレもなく安心です。

5.【重要】多くの家を見ること

多くの家に触れることはとても重要です。目を肥やすことで、自分たちが求める一軒家のあり方がより明確になっていくからです。雑誌だけではダメ。モデルハウスやオープンハウス情報をキャッチし、1軒でも多く見て回りましょう。

建築家や工務店、ハウスメーカーの持つセンスを理解できるだけでなく、自分の求める機能もはっきりとしてくるはずです。「ウチだったら、リビングはこうしたい」「キッチンの配置はこれがいい」という方向性がどんどん明確になるのです。

特に、今流行中の「無垢材」は、木の種類によって色合いも手触りも異なります。単に木であればよい訳でなく、好みのテイストを実現するためには木の種類も知っておかなければなりません。木材を扱う業界に知り合いでもいない限りは、木材の種類を知るチャンスなどほとんどありません。

おわりに

一軒家を購入する際には、事前に知っておくべき情報が多くあります。予算のこと、土地のこと、契約先のこと、少なくともこの3つの面の知識を、まずは「浅く広く」得る努力をしてください。できれば最新版の書籍や雑誌(電子書籍でも可)を購入することがベストです。税金の問題なども含め、フレッシュな情報を解りやすく解説しているものを選ぶとよいでしょう。

最初にお伝えした通り、何かの記念日に購入する時計、洋服、もしくは車であっても事前に情報を集めるはずです。「一生をかけて支払っていく買い物」である一軒家ならば、なおさら情報が必要です。数千万円の支払いをする家というもの、購入してから「こんなつもりでは…」となることは何が何でも避けなければならない事態です。

最低限でも専門家との話を理解できるよう、金融用語、不動産用語、建築用語といった独特の言葉の意味を知る必要があります。

よい一軒家を手に入れるためには、施主となるあなたの努力によるところも大きいのです。

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