小浜の民家再生

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ジャンル
戸建住宅
延床面積
151平米~
エリア
福井県

明治12年(1879)に建てられた民家の改修です。
立派な木材と高度な技術を結集して造られた住まいは、いくたびかの改変・増築を経て住み継がれて来ましたが、住まいの南面中央の広い玄関土間と、その横につながる豪壮な小屋組みが現しの板間はほとんど使われておらず、2階に設けられていた子供室は、既に成人して空き部屋となっておりました。
式事用の二間続きの和室も含め、大きな民家の主な部分を避けるように、周辺部分や附属屋で二世代のご夫婦は慎ましやかにお住まいの現状でした。
内部の床には細々とした段差が多く、玄関土間は直張りの天井がたいそう低くて床を張っての活用を阻んでいました。

改修の柱は
・空間の有効活用
・バリヤフリー化
・防寒対策
・腐朽材の交換と構造補強
です。

ご両親が高齢のため、それまでと同様の生活が継続して営めるように、極力両親の生活の勝手を変えないように心掛けるとともに、間取りや生活機器を新たにしつつ、この民家が持つ空間性を維持するように改修計画を立てました。
住まいを南北のゾーンに分け、それぞれの部分では床の高さを整理して揃えます。南面する旧玄関には床を張り、2階の子供室を撤去して一部吹抜とし、天井の低さを軽減すると共に陽光が振り注ぐ明るいリビングダイニングとしました。 北側に隣接する従前の床高さの和室とは、床座-椅子座の差として、互いの視線の高さが揃います。新たにデザインした間仕切りの紙障子は、視線の高さで横一列を透明ガラスとし、視線の行き来を暗示しています。

豪壮な小屋組みが美しい旧板間は、明るくなったリビングダイニングとは対照的に闇が映える玄関として再生を図りました。その正面には、長い年月屋根の上で住まいを守ってきた鶴の鬼瓦を、床からの間接照明に浮かび上がるように飾ってみました。リビングダイニングへと通ずる紙障子には所々に色和紙を配し、禁欲的な闇の空間にほのかな色気を添えています。

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こちらを設計された建築家

木村哲矢

木村哲矢建築計画事務所

電話番号
072-737-9540
ホームページ
http://tetsuyakimura.jp/
事務所住所
〒562-0003 兵庫県箕面市西小路5-5-5, 555ビル505
性別
男性
生年月日
1959/08/15

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