家を建てる前に知っておきたい知識

平屋住宅の価格は?―高くなるポイント・削れるポイント7つを見比べ

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平屋住宅の価格

設計者:鈴木宏幸さん

平屋住宅が近年脚光を浴びています。
理由として

  • 土地代の安いエリアでゆったりとした印象の家を建てたい
  • 「身の丈」に合ったシンプルな家が欲しい
  • 子どもが巣立ち、夫婦二人のためのミニマムな家に住み替えたい
  • 地震や火事などの災害を考えた時に「逃げやすい家」にしたい
  • バリアフリーの家にリフォームする場合にも対応しやすい

などがあるようです。

 

土地さえ広く取れるのであれば、30~40代の方が母屋として平屋を建て、将来お子さんが同じ敷地内に別棟で家を建てることで、完全分離の二世帯住宅として機能する可能性があることも注目される一因かもしれません。

では、気になる価格はどうなのでしょう。
2階建てと比較して、高いのか安いのか…。
土地についてはご希望のエリアにより様々ですから、今回は検討せず、建物についてだけ考えてみたいと思います。

「平屋住宅」と「2階建住宅」との違いを見分けながら、そのポイントで個々に価格について見てみましょう。
※ここでは同じ部屋の広さ・部屋数(≒坪数)を想定します。

 

【コスト高に】屋根と基礎の費用が倍近く違うケースも

単純に「部屋の広さ」「部屋数」を同じとすると、平屋住宅の場合は2階建住宅に比べ、約倍の屋根面積と基礎面積が必要となります。
これが、俗にいう「平屋住宅は2階建住宅より約2~3割高くなる」と言われるゆえんです。

ふたつのサイコロ状のものをイメージしてください。
縦に積むのと、横に並べるのとでは、家でいう外壁の面積は多少減るものの、屋根と基礎に相当する部分が倍の面積の違いを生みます。
実は、家の建築費用のうち、屋根と基礎の部分は意外と比重の重い部分です。
この箇所の面積が増えることは、建築時のコストに大きな影響を与えます。

 

【コスト高に】ハウスメーカーには平屋の規格が少ない

ハウスメーカーのパンフレットで見かけるのは、ほとんどが2階建て・3階建てのはずです。
平屋住宅は見かけることがあってもごく少数。

つまり、規格に沿っていないため、コストが上がってしまうことがあるのです。
ハウスメーカーの家は、規格内に収めることで「大量発注・大量生産」でコストを落とす仕組みを取っています。
この規格から外れることは、イコール、この「大量発注・大量生産の恩恵を受けづらい」ということ。
そのため、ハウスメーカーの平屋住宅は特に高いと感じられるのです。

 

【コスト安に】バリアフリー化に柔軟に対応できる

家を一生ものの買い物とするならば、このバリアフリーは避けて通れない問題です。
お子さんが巣立ち、セカンドライフをご夫婦だけで過ごす家になった時、視野に入れなくてはならないのがこの「バリアフリー」。
平屋住宅はワンフロアで生活が完結するよう最初から考えてありますから、このバリアフリー(段差なし)にするためのリフォームがしやすいというメリットがあります。

健康な限り家で過ごしたい、終の棲家としても考えておきたいというお施主さまには、このバリアフリーリフォームまで含んだトータルコストについても考えておいて頂きたいと思います。
子どもが巣立ち、メンテナンスの面からも2階建て・3階建ての家は要らなくなり、減築(増築の反対で、不要となった部分を減らす工事の事)を行うケースもあるほどです。

 

【コスト安に】内階段と2階ホールスペースが不要

1階から2階をつなぐ階段部分と、それにまつわるホールスペース(通常4~5坪と言われます)が不要です。
仮に坪単価が50万円だとしたなら、50万円×4坪でも200万円は安くなる計算です。

この他にも、2階建住宅の使い勝手を上げるため2階部分にもトイレや洗面台をつけることが多くみられますが、平屋住宅ではこれが不要なため、削れるコストとして浮上してくるかもしれません。

 

【コスト安に】資材がミニマムで済む

使用する木材は、尺(長さ)が4メートルを超えるとコストがぐんと跳ね上がると言われます。
2階建てで必要とされる柱用木材は、6メートル以上のものです。
また、電気配線や2階のトイレへの配管などが不要となるため、2階部分への資材の荷揚げ作業や施工(人件費)を抑えることができます。

人件費も意外に重たいコストのひとつ。
資材の面のみならず、この人件費を抑えることが平屋住宅では可能です。

 

【コスト安に】メンテナンスを自分でもできる可能性

数年に一度の塗装程度であれば、業者に頼まずとも自分でできるのが平屋住宅のメリットでもあります。
脚立一つで家のチェックも可能ですから、こまめに家の状態を自分の目で確認できるのは良いところ。

大掛かりなメンテナンスが必要と思われる時期にのみ業者に頼めばよいというポイントは見逃せません。
DIYがご趣味の方ならば、これらの小さなメンテナンスをご自分で行うことで、家を美しく健康に保つためのコストをぐっと抑えることが可能です。

また、それらの作業を楽しめる家とも言えるでしょう。

 

このように、平屋住宅価格には「2階建住宅よりもかかってしまう費用」と「2階建住宅と比較して削ることのできる費用」があります。
一生住む家として考えた時には、バリアフリーリフォームに対応しやすい面から、「家の一生涯にかかるコスト」を含めて考えると、安く仕上がる可能性も見え隠れします。

プラスアルファで考えなくてはならないのは、やはり土地の問題。
上記では単純に「平屋住宅と2階建住宅の建築とそれにまつわる費用」を比較しましたが、この土地の部分も追加で考えてみましょう。

 

【コスト高に】2倍・3倍の広さの土地が必要となる

縦に部屋を積みあげる2階建・3階建の家に比較すると、平屋住宅はその部屋数・部屋の広さ分だけ土地の面積が必要です。
そのため、土地代の面でコストが上がってしまうのは残念ながら避けようがありません。
プラスで敷地内に駐車スペースが欲しい、ガーデニングや家庭菜園などのための庭が欲しいといった場合は、更に敷地を広く必要とします。

こういったことから、平屋住宅は、既にある程度の広さの土地を持っている、もしくは土地が安いエリアに敷地を確保したいといった方に向く建て方かもしれません。

 

平屋住宅は広い土地が必要であることは容易に想像できるため、このブログをお読みの方は既にその視点は織り込み済みでしょう。
その中でも、おそらく大多数の方は「田舎暮らし」にご興味がある方も多いはずです。

 

自然環境の良いエリアで、ゆったり緩やかなイメージで過ごせる家をセカンドライフのステージとしてお選びになる方もいらっしゃれば、若い世代ながら自分たち夫婦の将来までをも考え一生の住まいとしてこの平屋住宅に注目する方もおいでです。

 

平屋でコストが上下するポイントは―

【コストが上がるかもしれないポイント】

  • 屋根と基礎の費用が倍近く違うケースも
  • ハウスメーカーには平屋の規格が少ない

【コストを削減できるかもしれないポイント】

  • バリアフリー化に柔軟に対応できる
  • 内階段と2階ホールスペースが不要
  • 資材がミニマムで済む
  • メンテナンスを自分でもできる可能性がある

でした。

 

平屋住宅は大手ハウスメーカーの苦手とされる分野であるからこそ、建築家の腕の見せ所となります。

近隣に建つ家に日光を遮られない位置への建築設計、周囲の視線が飛び込んできがちな平屋住宅ならではの悩みをシャットアウトする手法、出入りしやすい平屋住宅だからこそ工夫を凝らさなくてはならない防犯対策など―。
専門家ならではのアドバイスが重要となるのが、この平屋住宅なのです。

もちろん、コスト面での相談もしやすいのが、「建築家と建てる平屋住宅」。
あらかじめ定まった規格がないからこそ、予算を含めた細かな相談ができます。

 

平屋住宅と言っても、最近ではとてもスタイリッシュなものが増えています。
昔ながらの日本家屋調が好みの方もいらっしゃるでしょう。
日当たりの問題から、中庭が必要なケースもあります。
工夫や知恵が必要なのが、平屋住宅なのです。

あういえを内の作品集から、ヒントを得てください。
気軽に質問をしてみるのも良いですよ。

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