家を建てる前に知っておきたい知識

空き家の活用法│現在主流の6手法で「家の価値」を再発見

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

近年、空き家が注目されているのはニュースなどでも取り上げられている通りです。
「活かせるものは活かす」、これはエコの観点からも、歴史を大切にする点でも意義ある事です。

では、実際にどのように空き家は活用されているのでしょうか。

大きく分けて、「自治体」「民間」から見てみることにしましょう。

 

1.【自治体】空き家バンク

特に若い人が都市部へ流出することで、人口が減っている自治体が取り組んでいるものが「空き家バンク」です。

基本的には、「貸したい人・売りたい人」と「住みたい人」のマッチングを行い、活用するものです。
関連したNPO団体が、お引越しや地域に溶け込むためのお世話をしてくれることもあります。

「通常の不動産仲介業者に出すほどの家だろうか」と悩む人も、この空き家バンクへは「田舎住まいを希望する人」を対象に物件登録できますので、多少古くても安心して掲載してもらえるというメリットがあります。

また、「田舎住まいをしてみたい」という人にとっても、不動産会社には出てこない手ごろな物件を見つけることができるので便利です。

住んでみたいと思う自治体ごとに検索しなくてはならないという手間暇はかかりますが、大まかな物件概要は「ニッポン・移住交流ナビ」に一元化されています。

注意したい点は、この空き家バンクで見ることのできる物件は、あくまでもマッチングのための掲載であるということ。
実際の契約は、当事者間で行うか、地元の不動産仲介業者を介して行います。

 

2.【自治体】まちなかの「にぎわい創出拠点」としてリノベーション

その建物自体が価値を持ち、なおかつまち歩きにちょうど良い位置にある場合、その空き家に自治体が手を入れ「にぎわい創出拠点」としてリノベーションされるケースがあります。

歴史的な味わいを持つものでしたら、朽ち果てるに任せるのはもったいないものです。
景観条例に沿いながらリノベーションすることで、まちなみのイメージを保護し、観光客がふらっと立ち寄りやすい拠点とすることでその空き家を活用するのです。

指定管理者を入れ、カフェや物産館にすることもありますし、レンタルスペースとして地元のアーティストの作品展示・販売に使用することもあります。

住まいとしてではなく、観光客を招き入れる玄関口として活かされる建物がこれです。

参考;
http://www.cgr.mlit.go.jp/chiki/kensei/akiyahp/pdf/syoubarajirei.pdf
http://www.cgr.mlit.go.jp/chiki/kensei/akiyahp/pdf/yakagejirei.pdf

 

3.【民間】マンションオーナーがリノベーション、住み手を募る

都市部でもマンションの空室が目立ってきています。

これは、従来の間取りが使いづらかったり、古風な建て方がうまく「味」にならなかったケースに起こる事です。
空室をそのままにしておくことは、錆びれたイメージにつながり、更に住まい手が減ってしまう事態を招きます。
ご近所のまちなみにもマッチしなくなってくれば、まち全体のイメージに与えるダメージも深刻です。

空室を減らすためには、今の住まい方にマッチした間取りにすることを始め、その建物の持つイメージを活かしたリノベーションが必須です。
実際に、このリノベーションによって空室率を劇的に減少させた物件も多くあります。

中には、住み手の希望に合わせたリノベーションや、DIYに対応した物件もちらほらと見受けられるようになりました。
賃貸ではありながらも、自分の好きな暮らしを実現したいというニーズをとらえたこれらの物件は、同地区の同等の物件よりも賃料を挙げることに成功するケースもあります。

参考;
http://greenz.jp/2014/12/13/renovationschool_sakata/?fb_action_ids=816696441707049&fb_action_types=og.likes

 

4.【民間】コンバージョンで大胆な「切り替え」

これまではオフィスビルであった建物を、思い切って賃貸マンションにコンバージョン(用途変更)することで入居率を上げるという方法をとるオーナーもいます。

オフィスビルは、そもそも間仕切りが少ないこと、窓ガラスが大きい事から、コンバージョンにおいて自由度が高いのが特徴です。

東京で話題を呼んだのが「ラティス芝浦」。
芝浦運河というロケーションも魅力的ですから、すぐに入居者が決まったといいます。
その大胆かつ繊細なコンバージョンは「第17回BELCA賞ベストリフォーム部門表彰」という形で認められました。

オフィスビルが多いエリアは、日中人口は多く、夜間の人口が少ないという特徴があります。
このため、いわゆる「空洞化」に繋がりやすいエリアでもあります。
このような問題に取り組むためにも、このコンバージョンという手法が注目され始めているのです。

 

5.【民間】ゲストハウスなど低価格の宿泊施設へ

廃業した古い病院や、下宿を営んでいたような建物は、部屋数が多いのが特徴。
これを活かして、ゲストハウスといった低価格で宿泊できる施設へと用途変更することで収益を上げている建物があります。

特に外国人観光客にとっては、このような低価格での宿泊は当たり前のものです。
バックパッカーと呼ばれる人たちは、その地域に滞在し、観光のみならず人との触れ合いを求めています。
そのために、安価で長期滞在できる施設は必要不可欠なものとなっているのです。

宿泊施設に求められる設備の設置や、各方面への届け出が必要な事から、特に専門家の手を必要とする活用法ではあります。
ですが、自分の手で家を管理しつつ、人をもてなすことが好き、また外国の人と触れ合いたいという希望があれば、このような空き家の活用法も充分検討材料に入るのではないでしょうか。

 

6.【民間】低価格別荘として活用

日本人全体を見渡してみると、比較的「お金を持っている」とされている世代はリタイアした人たちです。

長年働いてきたのだから、これからはゆっくりしたいというニーズを持っているのが、これらシニア層。
天候や体調に合わせて、観光する日は観光へ、のんびりする日はのんびり…このような「その日その日」にフレキシブルに対応できる旅の仕方もいいものです。

古い空き家を、低価格レンタル別荘として活用する動きもここのところ盛んです。
この「のんびり旅をしたい」という人たちも、先のバックパッカーのように滞在することを希望していることが多いのです。
これらの希望に応えるために、週単位で借りるレンタル別荘が受け入れられているのです。

日本でのバケーション文化を研究している、立命館アジア太平洋大学の畠田研究室では「安価な宿泊施設がないことがバケーション文化が広がらない一つの理由」という仮説を立て、学生自ら古民家(空き家)をリノベーション。
オープン直後から、スケジュールの約6割が埋まっていると言います。

参考;
http://www.apu.ac.jp/research/uchinari/

 

空き家のポテンシャルは、「宝探し」で見つける

一口に「空き家の活用」といっても、切り口は様々でした。

空き家活用の第一歩は、ポテンシャルの見極めです。
人は、自分自身の良い所をなかなか発見できないものです。
空き家もまた、同じ。
外部の目で「宝探し」をしてもらうことも必要かもしれません。

  1. 【自治体】空き家バンク
    「貸したい人・売りたい人」と「住みたい人」のマッチング。
    人口減少に悩む自治体が物件情報を公開している。
  2. 【自治体】まちなかの「にぎわい創出拠点」としてリノベーション
    建物に歴史的価値があり、所在地にメリットが見いだされれば、観光拠点へ生まれ変わらせることができる。
  3. 【民間】マンションオーナーがリノベーション、住み手を募る
    住み手のニーズに積極的に合わせることで、賃料を挙げることも可能。
  4. 【民間】コンバージョンで大胆な「切り替え」
    オフィスビルを賃貸マンションへ変更するなどの大胆な方法が功を奏することも。
  5. 【民間】ゲストハウスなど低価格の宿泊施設へ
    部屋の多い旧病院・旧下宿などをリノベーション・コンバージョンすることで、低価格な宿泊施設へ変身させることができる。
  6. 【民間】低価格別荘として活用
    日本でも「滞在型観光」が定着し始めている。古民家をレンタル別荘とすることで、安価に滞在することができる。

同じ「空き家」でも、その建物の特徴、持ち味によって多くの活用法があります。
古いものが見直されている今、もしかしてあなたの持っている家が新たな価値を持つこともあるかもしれません。

Facebookでシェア Twitterでシェア はてなブックマーク Google+でシェア
あういえを会員登録

関連記事