23 Jan 2014
最近、広告やCMなどで「500万円の家」「700万円の家」などの数字が踊るキャッチコピーがあります。
いわゆる、ローコスト住宅とされるものです。
この数字、どう思われますか?
「シンプルでもいい、安い方が手に届きやすいイメージがあってよい」と思われる方も多いはずです。
その数字、本当に正しいのでしょうか。
いえ、建設業者が嘘を語っているとは言いません。
ですが、注意しなくてはならないポイントがあるのも本当です。
以下に、その注意すべき点を挙げて行きます。
500万の家のデメリットに相当
1.家本体だけの金額ではないですか?
「500万円」「700万円」は、最低限のプランの、家本体だけの金額のはずです。
その家庭ごとに合わせたプランニングは別途料金、ということになります。
家が家として機能するための、地盤調査、電気・水道の引き込みも別途料金ではないでしょうか。
中には、家を建てるための大前提である建築確認申請書類作成や、工務店の利益すら乗っていない「むき出しの金額」であるケースもあります。
よく、会社経営者がいう言葉に「人件費ほど高いものはない」というのがあります。
一般的な注文住宅の場合、大工さんたちの賃金は、家の代金の3~4割と言われています。
実際に現場に立つ大工さんたちが安く使われていることもあるかもしれません。
その分、現場の方たちも棟数をこなさなければならないという状況も出てくるでしょう。
このことから、手抜きとは言わずとも、雑な家になる可能性も否定できません。
のちのち、手入れのコストがかかることもあるでしょう。
本当にその家、500万円、700万円で建ちますか?
2.外構工事、含まれてますか?
門、車庫、塀、柵、などの構造物や庭などの「外構工事」と呼ばれるものは含まれていますか?
建売の戸建て住宅で、土がむき出しの地面に家だけがぽつんと建っているものを見たことはないでしょうか。
ローコスト住宅と呼ばれるものには、このように外構工事が別のものが多くあります。
じっくりと広告やHPの隅々まで見てみましょう。
「●●はオプション」と書かれてはいないでしょうか。
家だけで、あなたの生活は成り立ちますか?
外構はDIYで楽しみながら、という方もいらっしゃいますからその場合はお気になさらず。
ですが、コンクリートを打設したり、特殊な工具が必要になったりと、意外とコストが張ることもあり得ます。
外構が完成するまでの時間はどう過ごされますか。
その間の問題はないでしょうか。
3.建材や設備は満足できるものですか?
ローコストで家を建てるということは、やはりどこかを削らなくてはならないものです。
ローコスト住宅では、大量仕入れでの建材を使っている、お風呂などの設備は必要最低限のもの、選択できるプランの幅が少ない―などの、コストカットの工夫が見られます。
そういう意味では、「思い通りの家を」と考える方にはお勧めしづらいものです。
リビングは広く、お風呂はゆったりと、エコを考えて薪ストーブを―そのようなものはオプション扱いで逆に高くつくこともあります。
生活の仕方に合わせて家を住み替える予定があるのならば良い選択ともなりますが、思い通りに造るには適さないケースもあります。
一生に一度のお買いものです…それぞれのご家庭に合ったプランが見つかれば言うことなしですが…。
4.アフターメンテナンス、大丈夫ですか?
メーカーによって、定期点検の頻度が異なることも心配のモトに発展するかもしれません。
そのメーカーの謳う定期点検の頻度は満足できるものでしょうか。
また、点検の内容も必要最低限に削られていませんか?
家を建てた時に持つべき安心感は、「いつ何時でも相談できる相手がいる」ことのはずです。
大々的なCMなどによる知名度や、FC加盟による全国ネット組織ではないはずです。
建てた後も常に対応してもらえる体制があってこそ実現できる安心。
棟数をこなすことで利益を確保する体制では、もしかしたら不安はぬぐえないかもしれません。
500万の家のメリットに相当
1.プランが合えば十分な場合も
ここまで、ローコスト住宅に関する疑問点を挙げてきましたが、
ご家庭によっては、満足できる場合もあるでしょう。
それは、ずばり、プランがご家庭の状況に合っているとき。
なおかつ、外構工事など家の機能を粗方含んでおり、膨大な追加料金が発生しない場合。
ローコスト住宅の強みは、決まった間取りで、決まった材質のものを使うことでのコストダウンです。
その条件の中にぴったり収まるようでしたら、おススメできます。
2.中には、本物の「ローコスト住宅」も
ここまで、ローコスト住宅に関する疑問点を挙げてきましたが、もちろん中には本当にいい家を安く建てている会社があるのも本当です。
まずは、大々的なCMや広告を打つFCなどに加盟していないこと。
このFC加盟には年間何百万円もの「上納金」が必要と言われています。
知名度はあっても、その分が住宅に上乗せさせているとも言えます。
一方、地場でこつこつと家を建て続けている工務店でしたらいい家をローコストで、ということも可能かもしれません。
地場で生き残り続けるというのは、やはり一定の評価がなければできないこと。
しっかりとした家づくり、まめなアフターケアができていないと評価は得られません。
これらを踏まえて、地場で評価の高い工務店にあたってみるのもよいでしょう。
凝ったデザインにはできないかもしれませんが、家としての性能は充分のはず。
良いものが廉価であれば、本当の意味でのローコスト。
安かろう悪かろうであってはなりません。
3.リフォームをするぐらいなら―という方に
人の人生は概ね20年を1単位として新たな局面を迎えます。
結婚をしたり、子どもが生まれたり、その子供を送り出し再び夫婦二人に戻ったり…。
これまでの日本の住宅における寿命が30年というのであれば、そのサイクルごとに、リフォームでなく建て替えるという考え方もよいかもしれません。
リフォームに数百万かけるのであれば、建て替えてもよいのではないか、ということ。
ライフステージに合わせた新しい家に住めるというメリットも見いだせます。
4.「完全二世帯」とするケースに有利
急遽、親御さんとの同居が必要となった場合にも有効です。
同じ敷地内で安価に別棟の家を建てられれば、最初からの完全同居より、ハードルも低いというもの。
家はそもそも、家族を幸せにするためのものです。
様子を見ながら距離を縮めてゆく必要のある時には、こういうアプローチの仕方もあります。
親御さんを見守りながらも、夫婦のプライバシーも保つ。
こういったバランスが必要なときに充分に役立ってくれるでしょう。
まとめ
さて、「500万円の家」「700万円の家」などに代表されるローコスト住宅ですが、上記のような注意ポイントがありました。
もちろん、有効利用できる側面もありました。
いずれにせよ、子どもに引き継がせるほどの長期型ではありません。
500万の家のデメリットに相当
- 家本体だけの価格ではないかのチェックを。
- 外構工事を含んでいなければ、DIYを楽しめるならOK
- 建材や設備は決められたもので
- アフターメンテナンスは充分かの確認を。
500万の家のメリットに相当
- プラン(間取り)さえぴったりなものがあれば、満足できる可能性も。
- 地場の工務店の作るローコスト住宅ならば、信頼性も。
- リフォーム料金と変わらないのなら、建て替えも。
- 二世帯住宅の入り口には必要十二分。
実際にトラブルも発生しがちといわれるローコスト住宅。
最初から短期の家として考えるのであれば有利に働きます。
タイミングによっては、打合せに十分時間をさけないこともあるでしょう。
定められた期間内に定められた予算で建てられるのもメリットですから時と場合によっては救世主ともなりうるのが、このローコスト住宅です。
もちろん、評判も見定めながら検討を。
「思い通りの家にならない」ことだけは、記憶の片隅に。





