家を建てる前に知っておきたい知識

「夏は涼しく冬は暖かい家」を実現する3つの要素+必要な現場観察力とは

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家を建てる際の重要なチェックポイントは「日本独特の四季をいかに快適に過ごすか」ではないでしょうか。

冬は寒く、夏は暑い―これが日本の気候の特徴。

夏も冬もエアコンで乗り切る方法もありますが、ここ近年のエコ志向で極力電力は使用したくないというのが大方の施主さんのご希望。

そのために、高気密・高断熱の家がブームです。

夏は涼しく、冬は暖かい家のニーズが高いことの現れですね。

できるだけエアコンなどにできるだけ頼らず快適に住める高気密・高断熱の家。

各ハウスメーカーなどでもこれらをキーワードにした家が販売されていますね。

夏の暑さ・冬の寒さを防ぎ「夏は涼しく、冬は暖かい家」にするには、やはり外気温の影響を受けないようにするための工夫が必要です。

では、実際に夏の暑さや冬の寒さにはどのような対策が講じられているのでしょうか。

 

「夏は涼しく、冬は暖かい家」にする3要素

【断熱化】

冬、暖房しているのに暖房しただけの効果が得られない―このような暖房のロスはどこが問題なのでしょうか。

これらのロス、一番比率が高いのが窓です。

おおよそ40~50%のロスは窓から、と言われているほど。

そのため、サッシ製造会社でも後から交換できる複層ガラスや樹脂製サッシが売られています。

CMなどでもよく見かけますね。

また、建物自体に断熱材を使用することで外気からの影響を受けないようにする施工が今の主流。

特に注目されているのは断熱材とその施工方法です。

グラスウールのようなもの、発泡性のものを素材とし、外壁と内壁の間にそれらを入れてしまう内断熱と、柱などまですべて覆ってしまう外断熱とがあります。

施工会社によって勧めるポイントがことなりますので、じっくり比較してください。

もちろん、それぞれにメリット・デメリットがあるものです。

 

 

【気密化】

文字通り、家の継ぎ目の部分を極力なし、塞ぐことで暖房や冷房のロスを減らすという考え方。

冬の冷たい隙間風を減らしましょう、という考え方ですね。

なぜか冷たい風が感じられる、温めたはずの室内がどこからともなく抜けてゆき暖房効果が薄くなっている気がする―これらを防止するための手法です。

日頃は気づかない場所、例えば床と壁、コンセント取り付け場所からの隙間風が意外にも室温のロスにつながっています。

これらを防ぐために、壁の室内側に水蒸気を通さないように工夫したシートを張ります。

このシートの働きで、これらの湿度を含んだ隙間風を通さないようにするのです。

 

【建築予定地の風の動きを読む】

家は、1年中締め切っているわけではありません。

気候の良い春や秋は、やはり自然の風が一番。

さわやかな空気を取り入れたいと思うのが住まい手の自然な思いでしょう。

そのために、建築予定地の地形による風向き、周囲の建物の建ち方による風の流れに精通した建築家や工務店などの力を借りる必要があります。

せっかく新しい家を建てるのなら、やはり自然の理を最大限に活かした家にしたいですね。

土地により、季節により、拭いてくる風の向きは様々。

それを可能な限り活かすことで、先の高断熱・高気密の家でありながらも、冷暖房の必要でない時期の快適さを追求することができます。

 

 

高気密・高断熱の家は、本当に「夏は涼しく、冬は暖かい家」なのか

そもそも、この高気密・高断熱の家は、1970年代後半のオイルショック時に北海道の住宅の寒さを何とかできないかと北欧の住宅を研究し始めたことが起源です。

つまり、寒い土地ほどその効果が出るように作られています。

当然のことながら、床暖房などと組み合わせ、家の内部の快適性を追求しています。

よって、冬場に大雪が降らないエリアではオーバースペック(つまり、無駄なコストをかけた家)になってしまう可能性もあります。

本当に必要なだけの気密性・断熱性かどうかを建築家や工務店などときちんと話し合い、じっくりと地域の季節的な問題と向き合ってください。

どうぞ、高気密・高断熱というイメージに必要以上にとらわれないよう気を付けてくださいね。

 

 

「夏は涼しく、冬は暖かい家」にデメリットはないのか

高気密・高断熱の家は、言い換えれば「密封された家」に近くなります。

そのため、室内の空気を常に新鮮なものにする必要があり24時間換気が義務付けられています。

淀んだ空気のなかで生活はしたくないものです。

また、小さなお子様のおられるご家庭、アレルギーをお持ちのご家族がある場合は、やはりシックハウス症候群も気になるところ。

この換気システムは常に稼働させておく必要があります。

電気代が気になる、音がうるさいなどの理由で切ってしまうご家庭もあるとか。

これでは夏は涼しく、冬は暖かい家で快適に住まうということが難しくなります。

 

また、ストーブやファンヒーターは基本的に使えません。

燃焼に伴って排気ガスや湿度を部屋中に撒いてしまうからです。

どうしてもという場合は、排気装置で排気ガスを外に追い出してしまう仕組みのものを取り入れましょう。

排気装置のあることとエコ志向から、薪ストーブが注目されているのもうなづけます。

せっかくの気密性・高断熱性で夏は涼しく、冬は暖かい家にしても、日頃の機器の使用方法によりむしろ結露を招いてしまうとしたなら、本末転倒。

24時間換気はきちんと稼働すべきです。

 

また、高気密・高断熱の家は日本で一般化し始めてからまだまだ歴史は浅いもの。

様々なメーカーや工務店がそれぞれに工夫を凝らしながら施工しています。

デメリットまで正直に話してくれる担当者に出会えることが、とても大事なことと言えるでしょう。

 

 

まとめ

「夏は涼しく、冬は暖かい家」を手に入れるには、求めるライフスタイルに充分に配慮しなくてはなりません。

日本の四季に寄り添いながら暮らしたいのか、24時間換気をしながらでも快適さを優先するのか―。

それぞれのご家庭ごとの考え方や、建築予定地の気候・環境によっても異なることでしょう。

大事なのは、先に少し触れた「オーバースペックになってしまわないか」という点。

狭い日本といえど、やはり大雪に悩まされるエリアもあれば、関西以北では直接健康を害するほどの寒さに悩むことはないかもしれません。

本当に、勧められただけの高気密・高断熱の程度が必要なのかを見極める必要があります。

 

  1. 断熱化―約4割を占めるという窓からの熱損失を防ぐために複層ガラスなどの採用、断熱材の吟味、内断熱か外断熱かを決める必要があります。
  2. 気密化―水蒸気を通さないように工夫したシートで覆うため、24時間換気が必要。シックハウス症候群を防ぐためにも必須なので、稼働ランニングコストも調べておいた方がよいでしょう。
  3. 建築予定地の環境―エリアごとに季節の風の向きが違います。夏冬を除く気候の良い時期には窓を開け放ちたいこともあるでしょう。きちんと空気が通る家にするためにも、建築予定地の特徴に通じた建築家・工務店への相談が必要です。

 

水蒸気を通さないように工夫したシートを使用したばかりに、使用した木材の傷みを招いたという事例もあるようです。

居室以外の躯体にかかる部分の通気計画をきちんと示してくれる会社を見つけることがとても大事です。

メリットとデメリットを納得行くまで答えられる担当者が求められます。

もちろん、将来住まい手となる側からも、何度も質問をしましょう。

提案された「夏は涼しく、冬は暖かい家」が求める以上のものではないか、その家とうまく付き合ってゆくすべをきちんと提示できるかをきちんと理解できるまで聞きましょう。

家はとてもとても長い付き合いをする家族の入れ物。

無駄な費用は削り本当に必要な部分に注ぎ込むべきですし、快適さを求めるあまりに家の寿命を短くするのもよくないことです。

長く愛せる家にするためにも、これらの機能性についても充分検討を尽くしてください。

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