2014/09/29   建築家

カフェ兼住宅を成功させる5点―最低限これにだけは気を付けて!

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auiewo編集部
auiewo編集部
住宅・建設業界のライター歴8年の編集が主に執筆。必要とされる記事をわかりやすく執筆することを目指しています。

設計者:岡本光利さん

自宅でカフェなどの飲食店をオープンさせてみたいというご希望を持たれる方も増えてきています。
お料理好きの奥様の腕を活かす、セカンドライフの時間を活かしてなど、様々な理由があるでしょう。
古民家カフェのような「家をベースにした店舗」の台頭と、それが受け入れられてきているという背景もこのカフェ兼住宅への注目につながっているようです。

住まいと職場が近いというのはとても魅力的な点です。
ですが、その一方で、自宅というプライベートエリアと、カフェという人を招き入れるスペースとの性質が相反しているため、その「異質」のものを同じ敷地内に混在させるにはコツやアイディアが多く必要です。

以前の記事である「「店舗併用住宅」―シビアな選択で満足度100%を目指す6大ポイント」でも、自宅と店との折り合いの付け方などを取り扱っています。

これに加え、カフェ兼住宅というと言う特性からも考えなくてはならないポイントがいくつかあります。
それらについて、少し予習してみましょう。

 

1.事業としての見通し

これはどんな仕事にも通じて言えることですが、「趣味を生かして収入を得られる程度」を目指すのか、「事業としてきちんとした収益を見込むのか」によって準備すべき事柄はがらっと様変わりします。

生活の糧をすべてそこから得るべく、事業化を見込んでいるのであれば、周辺環境や近隣の競合他店などの事前調査までが必要です。
類似の店舗があるようならば、出す料理やベバレジ(飲料)、店の雰囲気など、差別化を図らなくてはならないでしょう。

更に、遠方からわざわざ来てもらいたい店にしたいのならば、「これだけは他店に絶対に負けない」という一品を提供できなくてはなりません。
むしろ「ご近所の憩いの場に」というのであれば、立ち寄りやすい雰囲気や比較的安価に商品を提供する工夫も必要でしょう。

思い描くカフェ像をしっかりと見通しておかなければ、最初の最初でつまずいてしまうことになります。

 

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2.提供する商品や席数により設備が大きく変わる

昼の営業だけでよいでしょうか。
それとも夜も営業することまでお考えですか?
カフェを含む飲食店の来店のピーク時は、ランチは12~13時、夜でしたら19~21時あたりでしょう。

最大席数はどの程度を考えておられますか?
提供するメニューは、どういったものでしょうか?

このような営業にまつわる検討ポイントを積み上げてゆかなければ、その店舗部分に求められる厨房設備をきちんと予算化することができません。
先に挙げたように「趣味でちょっと収入を」というご希望と、「事業としてきちんと営業したい」という考えでは、カフェ兼住宅の間取りの折り合い以前に、収入を得る部分≒店舗部分の造り方が全く違ってくるのです。
じっくり考えて、どのような収入規模を希望するのかをきちんと見通しておきましょう。

 

3.家の一部をカフェスペースにするのか、カフェと自宅スペースを完全分離するのか

カフェ兼住宅と一言で言っても、家の一部を来店者に開放する方法と、カフェスペース・自宅スペースを完全に分離する方法とがあります。
最近では、アットホームな感じを演出するために、広めの中古住宅を購入し、座敷をカフェエリアにリフォームしているケースもよくみられます。

このようなケースでは、自宅スペースとカフェエリアとがどうしても近くなりすぎますから、生活感を感じさせない工夫が必要でしょう。
このような場合に一番手軽に取り組めるのが、1階と2階とで区分してしまう事かもしれません。
2階部分を自宅とするならば、階下、つまりカフェエリアに足音が響かないよう防音対策を施す必要があるでしょう。
2階にベランダがあっても決して洗濯物など干さないなど、生活面から考えなくてはなりません。

むしろ季節の花々を植えるなど、外側から見て「心地良い」と思わせる手入れが必要です。
このような区分の仕方を「上下分離型」と呼ぶことがあります。

 

カフェスペースと住宅スペースとをきちんと分離する場合、入り口や駐車場がそれぞれに必要となり、コストがかかってしまうことを覚悟してください。
通りに面した側をカフェにし、通りから見えづらいところに住宅スペースを設けることで、生活感のない外観を作ることができるかもしれません。
出入りの勝手が悪くなるなど生活面で少し不便さが生じるかもしれませんが、職場と住まいとをきちんと分けられるという心理的なメリットもあります。
スペースが横並びのため、生活音もカフェスペースにはそうそう響かないはず。
2階建ての建物をこのように縦に分離することができれば、カフェスペースの2階部分を大人の隠れ家的な雰囲気にできそうです。
このような区分方法を「縦割り型」と呼ぶことがあります。

 

4.土地の特性を見極めておく

先にも少し触れましたが、近隣の環境や、同業他店がないかどうかをきちんと調査しておく必要があります。
更に、飲食店の場合、アルコールの提供があるかないか、営業時間が何時までかにより、届け出しなくてはならない書類と届け出先が分れます。

司法書士など、公的書類を扱う専門家へ相談してみてください。
もしも夜遅くまで営業したいのであれば、近隣住民の同意が必要です。
営業開始後も、ご近所との日頃のお付き合いを密にし、営業状況や来店するお客様が近隣の方に迷惑をかけていないかの聞き取りなども大事です。

 

希望するエリアと、近隣との折り合いがつかないようであれば、その場所はあきらめざるを得ません。
法の面で問題はなくとも、後々近隣トラブルからお店そのものをたたまなくてはならないことがあり得るからです。
カフェと近隣との関係のみならず、自宅もそこに存在することになる「カフェ兼住宅」。
ご近所とのおつきあいが、日々の住民としての生活にも直結します。

特にお子さまのいらっしゃるご家庭であればさらに敏感であってください。
「あの店は」≒「あの家は」という風評につながります。
土地選びの時点で、各種方面からの「見られ方」を充分に考えておかなければなりません。

 

5.店舗設計の実績のある建築家との出会い

職場となるカフェから収入を少しでも得るのであれば、もう「プロの仕事」。
つまり、規模の大小はさておき、営業する以上はきちんとした佇まいのカフェスペースを確保したいものです。
生活感が紛れ込むような造りでは、なかなかお客様もついてくださらないでしょう。

この点は、やはり店舗を多く手掛けてきた建築家にお願いをしたいところです。
隠しておきたい住居エリアとオープンであるべきカフェエリアとを同じ建物内で実現するのですから、収入を得る部分は満足に仕上げ、住まい部分では多少の我慢が必要になるかもしれません。
どこまで我慢ができるのか、どういったカフェを目指しているのか、専門家の目からのアドバイスできちんと折り合いをつけられるようにしておきたいものです。

家1軒を建てるにも折り合いが必要。カフェ兼住宅では、さらに悩んでしまうポイントが多く浮上するはず。
上手く問題回避しながら、素敵なお店を実現するためにも、建築家のプロの目線が必要なのです。

 

カフェ兼住宅成功の秘訣―すべての側面を「俯瞰」する客観性

カフェ兼住宅を実現するために最低限必要な上記5ポイントでしたが、全てに共通して言えるのは「各種側面を客観的に見る視点」でした。

  1. 事業としての見通し
    趣味の延長上なのか、収入の柱とすべく事業にまで展開するのかで問題への取り組み方が変わる
  2. 提供する商品や席数により設備が大きく変わる
    席数や提供する料理などにより、導入すべき設備が全く異なる
  3. 家の一部をカフェスペースにするのか、カフェと自宅スペースを完全分離するのか
    カフェ部分と居住部分との配置により、暮らし方も変わってしまう
  4. 土地の特性を見極めておく
    思い描くカフェ像と近隣環境とがマッチするかを見極めなければ失敗するケースも
  5. 店舗設計の実績のある建築家との出会い
    カフェ兼住宅と言えど店舗。センスと経験のある専門家に相談しよう

 

収入を得る場であるカフェと、日々住まう家とが混在するカフェ兼住宅。

通常の一戸建て以上に配慮すべき事柄は多く存在します。
経営者として、これらをトータルにコントロールするための情報収集力と、判断力が求められるのが店舗×住宅の組み合わせ。
時間の面でも費用の面でも手抜きせず、繁盛店を作り上げてください。

⇒カフェ兼住宅を検討されている方は、こちらで相談されるのがおすすめです。

 



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