2018/07/02   住宅建築用語集

灰汁洗い(あくあらい)とは? 木造建築を徹底クリーニングする手法です!

スポンサー広告
auiewo編集部
auiewo編集部
住宅・建設業界のライター歴8年の編集が主に執筆。必要とされる記事をわかりやすく執筆することを目指しています。

木造の家は、ぬくもりが愛着ポイントです。「田舎のおじいちゃんの家に背丈を刻んだ柱がある」など、その家ならではの歴史や風合いが生まれるのが木造の家の特徴です。

しかし、木造の家はシロアリ被害はないか、木材腐朽菌による傷みはないかといった、強度の面でのメンテナンスのみならず、例えば、木材の屋根が薄汚れてきた、シミが気になる、といった場合は、クリーニングが必要となることがあります。

その場合、どのようにして美しくすればよいのでしょう。今回は「灰汁洗い」についてご説明します。

1.灰汁洗い(あくあらい)とは

引用:トータルクリーン

灰汁洗いとは、木材の黒ずみや汚れを洗い落とし、元の美しさに近づける技術です。苛性ソーダなどの“灰汁”で汚れを浮かせ、その後、酸性薬品により中和させます。

単に黒ずんだ木材が明るい色合いを取り戻すだけでなく、つやを出すためにも使われる方法です。

スポンサー広告

神社仏閣も灰汁洗いで美しさをキープしている

神社仏閣は、現代の木造住宅とは異なり、露出している木材部分が多いのが特徴です。雨風にさらされますし、漂う線香の煙も黒ずみの原因のひとつでしょう。

これらの汚れが目立ってきたからといって、何もしないわけにはいきません。このようなとき「大掛かりな清掃」「洗い清め」として使われる手法が灰汁洗いです。

 

「古民家・神社仏閣のあく洗い│乾美装」

http://inuibiso.com/index.php?id=22

3.一般住宅での灰汁洗いの例

一般の木造住宅でも、灰汁洗いで美しさを“再現”することができます。また、住まいのみならず、木製のタンスなどの家具も灰汁洗いでキレイにすることができます。

 

「施工事例│洗い屋神門」

http://www.araiya-kando.com/case/index.html

 

 

色あせた木材や、シミのように見える部分もすべて均一の色合いに整えることができ、まるで新品のように見違えてしまいます。

4.灰汁洗いの手法/工程

灰汁洗いはご自分でもできますが、灰汁洗い用に販売されている薬剤は医薬用外劇物に指定されているものがほとんどです。DIY用に通信販売している店舗も存在しますが、使い方についての問い合わせにしっかりと答えてくれるお店から購入してください。

もちろん上記のように専門業者もありますので、美しくスピーディーに仕上げたいとき、またはDIYでの失敗が許されない部位/家具は業者に依頼するのがベストです。

4-1.灰汁洗い

引用:安田塗装

過酸化水素水、いわゆる漂白剤や殺菌剤に使われるものが原料となる液体を指示通りに混ぜ合わせたり希釈したりして、きれいにしたい部分に塗ります。飛び散りによる身体への害を防止するため、ゴーグルや手袋、マスクを装着してハケなどで対象部位に薬液を塗布していきます。

ぶくぶくとした泡とともに汚れが浮き出てきますので、これをタオルなどで拭きあげていきます。

※商品により2剤混合が必要であったり、放置する時間、拭き取り後の処理が異なりますので、事前にしっかりと説明書を読んでおいてください。

4-2.染み抜き

業者の場合、特に汚れが染み付いた部分も美しく仕上げることができます。しかしながら木材用の染み抜き剤は人体に有害ですので、DIYすることはおすすめしません。

4-3.ささくれの除去

引用:しろくまペイント

長年風雨にさらされてきた部位に漂白剤を塗ることで、毛羽立ち(けばだち)/ささくれが生じることがあります。これを目の細かいサンドペーパーで削り、表面をなめらかにします。

4-4.仕上げ

引用:Deskgram

汚れが落ち、木材の表面をなめらかにしたら、仕上げに入ります。仕上げ剤には、

・柿渋(かきしぶ)=防水/防腐/防虫効果とともに、赤みのある色にすることができる

・塗料(オイル系)=色づけしながら木材に油分を補給、撥水効果を持たせる

・塗料(水系)=木材表面に皮膜を作る

などがあります。

これらの仕上げ剤も、汚れを落とした後、直に塗ってよいものから、下塗りや下塗り+中塗りが必要なものもありますので、希望する仕上がりにそって商品選びをし、その商品の注意書きにあるとおりに作業を進めます。

5.身近な「灰汁洗い」

近年人気のウッドデッキですが、樹脂製でなく、本物の木材を使用したものでしたら、数年に一度“大規模メンテナンス”が必要です。このときも、本来の色合いに戻したいときは、灰汁洗いをしてみるのもよいでしょう。

事前に、ウッドデッキの施工会社にメンテナンスの方法を聞いておくと、より安心してDIYでの灰汁洗いができます。色合いを整えたいときもそれを相談すれば、コツや必要な塗料類についてもアドバイスを得ることができるはずです。

まとめ

灰汁洗いは、私たちの身近なところで実施されています。先に挙げた神社仏閣もそうですし、お神輿やだんじり(山車/だし)などのメンテナンスとしても灰汁洗いが行われます。

せっかく立派な木造家屋をお持ちならば、汚れ具合が気になったとき、灰汁洗いを検討してください。元の美しさに近づけることはもちろん、灰汁洗いの後に使う塗料により好みのイメージに“変容”させることも可能です。

もしも業者に依頼するときは、単なる「ハウスクリーニング業者」ではなく、灰汁洗い技術を持っている業者を選びましょう。

 

今回は、家のメンテナンス法のひとつである灰汁洗いについてご説明しましたが、特にご記憶いただきたい3つのポイントは次のとおりです。

1.木造の家の内外ともに、汚れが目立つようになったら「灰汁洗い」でクリーニングを

2.部位や木材の種類によっては、DIYも可能。ただし、適切な材料や方法を確認してから

3.灰汁洗いにより好みの色合いにすることもできるが、下塗り+中塗り、サンドペーパー研磨が必要なこともあるので、専門業者に依頼するとより安心

このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサー広告